« 今春闘に対する違和感 | トップページ | 国の新年度予算が成立したが、不安は残る »

2014年3月18日 (火)

アンジェイ・ワイダの「ワレサ 連帯の男」を見て

 世界的に著名なポーランドの映画監督、アンジェイ・ワイダの新作「ワレサ 連帯の男」を見た。第二次世界大戦後、ソ連の支配下にあった東ヨーロッパ諸国は、自由と民主主義を認めない”社会主義国家”ばかりだった。そうした圧政下の東欧諸国の中で、ポーランドは1980年代、独立自主管理組織「連帯」の誕生とその闘いで世界に知られるようになった。「連帯」とそのリーダーのワレサという名前は遠い国、日本でも有名になった。

 1970年のグダニスクにおける食料暴動に始まるワレサの活動は、ベルリンの壁が崩壊し、ソ連邦が解体して4分の1世紀が経ったいまから振り返ると、随分と昔の出来事のように思えるが、当時のソ連・東欧の世界では、画期的な出来事だった。直近、ロシアがウクライナのクリミア共和国を自国に編入しようとしているなど、歴史の振り子が逆に振れ始めたようにも思えるが。

 いま、この映画を見て真っ先に連想したのは、アジアにおける圧政、即ち、中国と北朝鮮の現実である。人権尊重、自由と民主主義などが無視され、中国では、チベット族、ウイグル族やモンゴル族などの少数民族は厳しく抑圧されている。これらの国では、現在の支配体制に異を唱えた者は弾圧されている。

 ワレサは1983年にノーバル平和賞を受賞した。受賞式には本人が出ず、夫人が出席したが、帰国した空港で屈辱的な扱いを受けた。それは、中国政府が近年に自国の受賞者に対してとった態度とそっくりである。

 ポーランドの改革は、同国の指導者層の中に、ソ連の支配をよしとしない意識があったがゆえに可能になった面があるような印象を受ける。中国には、そうしたものがない。したがって、中国の改革が何をきっかけにどういう形で展開するのか、予想もつかない。

 映画そのものについてちょっと言うと、ワレサが外国のジャーナリストのインタビューに応じて話し、各場面が展開するという手法はユニークだ。また、映画は、ワレサが1990年に大統領に当選したところまでを取り上げている。しかし、1995年に再選されなかったことやその背景には触れていない。そこが見たかった。

|

« 今春闘に対する違和感 | トップページ | 国の新年度予算が成立したが、不安は残る »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アンジェイ・ワイダの「ワレサ 連帯の男」を見て:

« 今春闘に対する違和感 | トップページ | 国の新年度予算が成立したが、不安は残る »