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2014年6月10日 (火)

”スチュワードシップ・コード”って何?

 日本版スチュワードシップ・コードを導入すると表明した機関投資家が5月末現在で127社あると金融庁が10日発表した。この……コードは「責任ある機関投資家の原則」のことで、機関投資家が投資先企業との対話や議決権の行使を通じて、企業の持続的成長を促すというもの。導入を表明したのは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、日本生命などの生命保険会社、東京海上日動などの損保会社、三井住友信託などの信託銀行、野村アセットマネジメントなどの資金運用会社、その他である。
 コードは7つの原則から成り、投資先企業の状況把握、投資先企業との対話を通じた問題改善、議決権行使の方針づくりや行使の結果などを顧客や受益者に定期的に報告することなどである。
 大企業間の株式持ち合いの時代が長く続いたため、日本の機関投資家は米国と違って、いまだにものを言わない大株主である。日本最大の機関投資家であるGPIFにしても、議決権の行使は運用会社任せだった。しかし、安倍政権のもと、日本企業のガバナンス(統治)を強化して、企業がもっと積極的に経営展開していくことが期待されるような状況になったため、スチュワードシップ・コードを導入し始めたものである。
 しかし、大株主である機関投資家が上場会社とコミュニケーションを深め、ときには注文をつけることはまずい面もある。機関投資家に企業の情報が入りやすくなり、情報を得たその機関投資家が株式売買でもうけるということになりやすい。投資信託を買った個人投資家や年金基金は、その機関投資家からもうけをおすそわけしてもらうことになるが。
 もともと、日本の大企業は、伝統的な企業が特にそうだが、つい先頃まで、低い株主配当しかしなかった。したがって、ビジネスで互恵関係にある大株主と違い、個人株主は売買差益をねらうしか株式保有のメリットはなかった。そうした永年の個人株主軽視が、近年、やっと是正され始めた。
 そこへ、今度のスチュワードシップ・コードの導入だ。また、個人株主冷遇が復活しかねない。高速売買取引で個人投資家がはじきとばされる時代になっている。資本主義の根幹である個人投資家の存在意義をじっくり考える必要があるように思う。

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