« ”スチュワードシップ・コード”って何? | トップページ | 上がり続ける日銀の国債保有比率 »

2014年6月15日 (日)

初めに結論ありきの安倍総理大臣

 安倍総理大臣のエネルギッシュな活動には感心する。国会は無論のこと、公的、私的のさまざなな会合に出る。地方にも中小企業訪問などで精力的に足を運ぶ。また、外国訪問やG7など主要国トップとの会議にも出席する。健康の面で不安がなさそうにみえるし、安倍政権を足元から揺さぶる政治的な動きもないので、長期政権になる可能性が高まっている。
 とはいえ、安倍政権には気がかりな点が少なくない。それは、例えば、初めに結論ありきで、総理が自らの意見を絶対に正しいと思い込み、野党などの少数の意見にほとんど耳を傾けようとしない点である。
 安倍総理は我が国の安全保障に、従来、現行憲法の解釈で認められていなかった集団的自衛権を採り入れる必要があると考え、その実現に自民党を挙げて取り組んでいる。それには、憲政上、憲法第9条などを改正するのが常道だが、安倍政権は憲法解釈を変えることで集団的自衛権を容認しようとしている。
 戦後日本の憲法は平和憲法といいながらも、米国の圧力のもと、自衛隊という名の軍隊を創設し、それが今日の防衛力となっている。その過程では、憲法を一度も改正することなく、内閣法制局の憲法解釈なるものを変えるといった姑息な解釈改憲の手法をとってきた。安倍政権は、そうした日本の政治の”融通無碍”を利用したものとも言える。
 おりから、中国、韓国と日本との国家間関係が悪化し、日本では反中、反韓感情が高まっている。中国は海洋権益拡大のため、日本やフィリピン、ベトナムへの攻勢を強めており、日本の尖閣諸島をめぐっては海空での一触即発を招きかねない行動をとるようになっている。したがって、安倍総理が米国を念頭に置いた集団的自衛権の導入は国民の支持を受けやすい状況にある。
 しかし、米国との集団的自衛権で国家、国民の安全、安心を確保できるという考え方は全くの幻想である。米国は自国の世界戦略で軍事力を動かしているが、国家財政や米国民の反戦ムードを踏まえ、日本に海外派兵を求めてくる可能性がある。また、世界中の反米勢力からテロその他の攻撃を受けるリスクを抱えている。
 したがって、米国の片棒をかつぐ日本は、いまでも苦しい国家財政がもっと悪化し、9.11のような国内テロなどの標的になるおそれも出てくる。そこまで安倍総理はきちんと考慮しているのだろうか。日本が憲法第9条のもとでとってきた限定的な防衛体制は平和国家、日本のイメージをそれなりに世界に広めてきた。それらを根底から改めることになりかねない。とするなら、憲法改正を国民に提起し、真っ向から日本の防衛のありかたを国民に問うべきである。
 

|

« ”スチュワードシップ・コード”って何? | トップページ | 上がり続ける日銀の国債保有比率 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 初めに結論ありきの安倍総理大臣:

« ”スチュワードシップ・コード”って何? | トップページ | 上がり続ける日銀の国債保有比率 »