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2014年7月 8日 (火)

ROE引き上げの小細工?

 8日の日本経済新聞朝刊に「CB発行で自社株買い カシオ、最大125億円 ROE向上へ」との見出しがついた記事が「投資情報」のページに載っている。同社は自己資本利益率、つまりROEを2016年3月期に17%(前期は9.2%)にすることを目指している。そこで自己資本を減らし、負債を増やすという、リキャップCB(転換社債)といわれる財務手法を採用したわけである。

 企業の自己資本利益率が高いほど株価は高くなる。株価が高くなれば、資金調達、買収防衛、企業の社会的評価などいろいろな面でメリットがあるので、企業経営者が低利で転換社債が発行できるのに着目した財務手法を採用したくなる気持ちはわからないではない。

 しかし、カシオや、東レ、ヤマダ電機のような巨大企業までがやることだろうか。素人から見ると姑息なやりかたにみえなくもない。

 自己資本が多いことは企業の長期安定的な存続をはかるための基盤であり、自己資本利益率を上げるための王道は、分子の「利益」額を増やすことにある。そのためには、何よりも事業の成長性や収益性を高める必要があるだろう。いま1つは、利益をただ内部留保としてためこむのではなく、株主配当を増やすことである。最近、高配当に踏み切る上場企業が相次いでいる。このほうが株主が喜ぶ。それは、リキャップ何たらと異なり、株式会社の王道を歩んでいるのだと思う。

 近年、外人投資家の動向に株価が左右されやすくなっている。また、これに呼応するかのように、上場企業においては、CFO(最高財務責任者)とかいう役職の偉いさんがあちこちにいるようになった。しかし、これは、バブルの時代に、もっぱら財務担当役員が時価発行と資金運用ではぶりをきかしたのと似た構図にもみえる。

 個人株主を大切にする会社ならば、枝葉末節にとらわれず、単純明快に株主にとってわかりやすい財務経営をめざしてほしい。

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