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2014年7月 1日 (火)

財政赤字削減が軌道に乗っていることが前提

 財務省理財局では「国の債務管理の在り方に関する懇談会」を設け、昨年10月から議論してきた。そこでの「議論の整理」を6月30日に発表した。いろいろなことが書かれているが、財政危機については、次のように整理されている。

・投資家が安定的に日本国債を買うためには、財政赤字の削減が軌道に乗っているというメッセージが前提である。その見込がなければ、誰も買わない。国債管理政策と財政赤字の削減に係る議論との結びつきをもっと強くしていくことが重要である。

・確かに現在の国債市場は安定しているが、これは嵐の前の静けさという部分もあるのではないか。このような局面でいろいろと準備をしておくことは重要であり、海外からもさまざまな知見を得るべきである。また、本懇談会として、財政へのメッセージも必要になってくるのではないか。今の財政状況が極めて異例の状態であるという問題意識を幅広く発信していく重要性は、今後ますます増していくだろう。

・現在、市場関係者は、国債が割高であることがわかったうえで購入しているが、その前提として、日本の財政は壊れないという固いコンセンサスがあることに留意すべきだ。

・現在の日本国債は安定しているが、財政のリスクプレミアムも含め、ファンダメンタルズの変化は今後、真剣に考えていくべき。また、日本銀行の金融政策が変化する際には、戦前や海外の事例も参考にしながら、国債管理政策を考えていく必要がある。

・理財局は国債管理当局として市場と接点があるので、財政に対する市場の見方を財政当局にしっかりと発信し、情報を共有することが重要である。

・今後のテーマとしては、国際的な金融規制がある。その影響によっては、海外が安定的に日本国債を持てなくなるというリスクもある。そのような状況においても日本国債に対する信頼を勝ち取るような財政規律が重要になってくる。

――政府は2015年度の国家予算の概算要求基準を固めつつある。だが、安倍内閣には、一般歳出のおよそ半分を国債増発でまかなうという異常な財政状態から何としてでも脱却しなければならないという強い危機意識はうかがえない。

 この「議論の整理」は、理財局の”ごまめのはぎしり”かもしれないが、超大型借金予算で景気を底上げしようとする安倍政権の危うさを訴えているように思える。

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