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2014年8月 9日 (土)

国は金遣いが荒くて”借金”がどんどん増える

 財務省が6月末現在の国債および借入金現在高を8日に発表した。この国の”借金”は1039兆4132億円と過去最高を更新した。赤ちゃんや働いていない高齢者などを含む全国民1人当たりで約818万円、大人1人当たりではゆうに1000万円を超える”借金”の規模に相当する。

 ”借金”つまり日本の財政赤字は14年前の2000年6月末に502兆3687億円だった。それから14年経って”借金”は積もりに積もって2倍に達したわけだ。毎年6月末現在の”借金”を見ると、その1年前と比べた増加額が著しいのは、2010年(43.8兆円)、11年(39.7兆円)、12年(32.4兆円)、13年(30.8兆円)、14年(30.8兆円)。

 財務省のデータを読むと、1996年6月末現在の”借金”は334兆1309億円だった。当時に比べ、今年は借金の残高は3倍を超える。このように早いペースで財政赤字が積み上がったのは、政府も議会も、困難な課題に正面から取り組むことを避け、ばらまきで処理する傾向を強めているからだ。

 一例を挙げる。フクシマの汚染土などを保管する中間貯蔵施設を福島県下につくるため、地元に生活再建策などの名目で支払う交付金について、政府は内々に提示していた1500億円を倍増し、3010億円とすることを福島県などに伝えた。これで地元が納得しなければさらに上乗せもありうると思われる。問題は、どういう根拠でこうした数字が出てくるかだ。フクシマ関連の財政支出については、何かと安易なばらまきが横行しているのではないか。

 フクシマ後の復興対策で感じるのは、財政難の中でどうやって財源をひねり出すのか、誰が負担するのか、が全く問題にされてこなかったことである。

 厚生労働省は消費増税に対する低所得者向け「臨時福祉給付金」として1人1万円(年金受給者などには5千円上乗せ)を支給することになっている。しかし、朝日新聞の8日付け朝刊によると、業務を担う日本年金機構のミスで、上乗せ支給の対象外の約10万人にも支給するリストが市区町村に配布されたという。

 そこでどうするか。驚いたことに、同省は対象外の10万人にも加算金を支払うことにして局長通達を改めた。それによる歳出増加は5億円に達するという。給付金の予算額の枠内で対応できるというのが同省の説明だが、過ちをただすことなく、5億円をばらまくというのは、異様なことだ。「無理が通れば道理ひっこむ」のは、財政健全化が大きな課題となっている今日、許しがたい行為である。国債および借入金現在高が急速に膨張している背景に、こうした危機意識を欠いた官僚たちの存在があるように思える。

 

 

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