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2014年9月13日 (土)

”ふるさと納税”にはどうも釈然としない

 ”ふるさと納税”をやると、納税先の地方自治体から特産品などがもらえることが多い。ということで、所得税(住民税)申告に際して”ふるさと納税”を行なう納税者が増えているらしい。
 しかし、この仕組みにはいささか問題があると思う。
 大半の自治体が1万円以上を指定して納税してくれたサラリーマンなどに、米、果物など主として地元の特産品を送っている。米だと、5kgというところが多い。小売り価格で2~3千円といったところだろう。10kg近い米を送る自治体もある。”ふるさと納税”で納税者から指定された自治体にとっては、特産品などのコストを差し引いても数千円のネットの税収が得られる。しかも、特産品のPRにもなるので、地域の振興にもつながる。
 他方、納税者にとっても、所得税を国に、住民税を自治体に納める従来の納税に比べると、”ふるさと納税”を行なえば、特産品などを得る分、もうかる。
 自治体にとっても納税者にとっても、winーwinの関係である。こんなおいしい話はないから、自治体は指定してもらうため、特産品などのサービス競争に走ることも考えられる。極端な話、”ふるさと納税”で入ってくる税収のごく一部だけでも残ればもうけものである。
 しかし、東京などの大都市を想定してもらうとよい。所得税などの納税額が”ふるさと納税”分、まるまる他の地域に流れる。例えば、東京では、国の所得税の税収1万円がそっくり減るのである。したがって、”ふるさと納税”の採用によって、国・地方合わせた実質の税収は、特産品などのプレゼントにかかる分だけ減る。
 国は、歳出の膨張を税収で賄えないため、国債発行で穴埋めしており、2015年にも消費税を上げる方針である。”ふるさと納税”で国・地方の税収を実質減らし、他方で消費税を上げようとしているのは、どこか矛盾しているのではないか。

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