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2014年10月 9日 (木)

国民医療費の約半分は医師などの人件費

 厚生労働省の発表によると、2012年度の国民医療費は39兆2117億円だった。前年度に比べ、6267億円増、1.6%増。10年前の2002年度は30兆9507億円だった。1人当たりで見ると、12年度は30万7500円、10年前は24万2900円だった。また、国内総生産に対する割合は12年度に8.30%、10年前が6.21%だった。国民経済に占める医療の比率が高まっている。

 では、この医療費の内訳はどうかというと、財務省の資料によれば、2014年度予算では、医師等の人件費が約20兆円(46.4%)、医薬品が約10兆円(22.6%)、医療材料約3兆円(6.2%)、委託費・光熱費等約11兆円(24.8%)である。国民医療費の抑制が財政健全化の大きな課題であるが、それに取り組むなかで、全体の費用の半分近くを占める医師等の人件費を抑えることが必要なのは明白であろう。

 財務省は「医療費の伸び率の要因分解」を公表している。2011年度の国民医療費データによれば、国民医療費が前年度より3.1%増えたが、これは医療の高度化等が2.1%増、高齢化の影響等が1.0%増による。2002年度から2011年度までのトレンドを見ると、高齢化の影響等が医療の高度化等を上回っているのは2005年度まで。以後、医療の高度化の影響等のほうが高齢化の影響等を上回っていることが明らかである。

 もっとも、65歳以上の国民医療費の伸びについて要因分解したデータでは、2010年度まで、高齢化の影響等のほうが医療の高度化等よりもはるかに大きい。しかし、11年度には、医療の高度化による医療費増のほうが高齢化の影響等による医療費増をわずかだが上回った。

 医療の高度化というと、誰も反対しにくい。しかし、国民医療費の増加傾向を抑えるためには、医療の高度化等による医療費増にもブレーキをかけなければならないだろう。

 レセプトのチェックを厳しくすること、ジェネリック医薬品の使用を促すこと、検査漬け、くすり漬けを減らす対策をとること、治療費が高額な重症化を予防すること、など、誰もがわかる医療費の適正化には政府も保険者も本腰を入れて取り組んでほしい。それに加えて、上記のような対策も、抵抗を排して推進していきたい。

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