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2014年11月 6日 (木)

『人類は80年で滅亡する』(西澤潤一他著)が現実味を帯びてきた

 国連の気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCがこのほど統合報告書をまとめ、発表した。科学的見地からの地球温暖化の進行および将来予測、温暖化への適応および緩和策をパッケージで取りまとめたものである。
 すでに地球温暖化は氷河の後退、海面上昇、豪雨、干ばつなど、さまざまな天変地異を引き起こしており、放置しておけば、ますます人類の生活基盤を脅かすことは必定とされる。そこで、IPCCの報告書は工業化以前と比較した温度上昇を2度未満に抑制することを求め、温室効果ガスの排出量を2050年までに2010年比40%~70%削減し、今世紀末までにほぼゼロにする必要があると結論づけている。化石燃料の燃焼による二酸化炭素の排出を抑制するのは無論のこと、二酸化炭素の地中埋蔵など、あらゆる方策で大気中の温室効果ガス量を抑制することが破局回避に求められている。
 1992年のリオ地球サミットで世界が取り組み始めた地球温暖化対策は、京都議定書などの若干の進展はあったが、アウトサイダー、中国の経済発展によって温室効果ガスが急増。同じくアウトサイダーの米国も排出抑制にコミットしないで今日に至っている。EUはこれまでも温暖化対策で独自の道を歩んでいるが、中国、米国、ロシアなどの各国の抵抗もあり、世界全体として温室効果ガス削減で大きな前進は望めないのが現実。
 2000年に西澤潤一東北大学教授らが出した『人類は80年で滅亡する』は、CO2地獄で人類は21世紀中に滅びるおそれがあるとし、主に工学的な視点から「CO2地獄からの脱出」策を説いている。この14年も前に出版された本が”予言”した道を世界は歩んでいるのではないか。
 ところで、今年9月発行の『日本の感性が世界を変える』(鈴木孝夫著)は、地球環境問題を解決するため、鎖国の江戸時代の経験を世界に広めることを提案している。
 温暖化は、地球という閉鎖社会の中で、これ以上、人類が物理的な拡大を求めることを許さない段階にきている。したがって、閉鎖社会の中で、人類が争わず共存して生き延びるには、無駄な資源浪費もなく、自然環境に過度な負担をかけないソフトな生き方が必要である。それには江戸時代のような生き方を世界に広める必要があると著者は訴えている。可能な限り衝突を避け、自分を抑え、相手を立て、友好的な人間関係を維持するために気をつかう日本の文化も温暖化問題に直面している人類に不可欠だと言う。
 地球温暖化が人類滅亡をもたらすおそれはかなりある。したがって、世界は戦争したり、宗教対立で殺し合ったりとか、よその国と些細なことでいがみあっているようなゆとりはないはずだ。鈴木氏の本は、そうした対立の愚劣さを気付かせてくれる。

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