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2014年11月 2日 (日)

公的年金の運用方針変更

 9月27日のブログ「公的年金運用改革に不可欠な財政健全化」で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が内外株式および海外債券の保有比率を高め、国内債券の保有比率を下げようとしている動きを取り上げた。その中で、年金問題に詳しい西沢和彦氏の意見を紹介した。欧米では、年金のうち、国民の誰にも支給される基礎的な年金については、運用リスクの少ない国内債券で運用しているとのことだった。
 だが、10月31日に塩崎厚労相が認可した新しい運用方針は、国内債券の保有比率を60%(±%)→35%(±10%)に引き下げ、国内株式12%(±6%)→25%(±9%)、海外株式12%(±5%)→25%(±8%)、海外債券11%(±5%)→15%(±4%)とリスク/リターンの度合いが大きい資産の保有比率を高める、というものである。
 毎年の運用成果を年末の保有資産で割った収益率をみると、2001年度マイナス1.80%から、02年度マイナス5.36%、07年度マイナス4.59%、08年度マイナス7.57%、10年度マイナス0.25%と、5年も資産縮小の憂き目にあっている。GPIF設立以降の2006年度~14年度第一四半期までの収益率は2.52%と低水準である。130兆円近い運用資産が新たな運用方針によってもっと高い運用成果を上げられるか否か、それは米欧の経済発展や金融市場の動向、さらには運用担当者の能力にかなり左右されるだろう。
 そうした運用で高い成果が得られればよし。さもなければ、年金支給財源が不足し、何らかの方法で穴埋めしなければならなくなる事態も予想される。年金制度を安定的に存続するには、加入者の確保、支給開始年齢の引き上げ、年金支給額の引き下げといった措置も必要になるかもしれない。
 GPIFの委員会名簿を眺めたら、これが130兆円ものおカネの運用に責任をもってあたる人たちか、と不安になった。独立行政法人という役所がお飾り的に外部の有識者を集めただけではないか。GPIFの設立前、やはり厚生官僚が運用の責任者で、天下り先づくりに投資して損を出したことを思い出す。基礎的な年金については、欧米主要国のように、国内債券中心の運用で行くのがまっとうではないかと思う。

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