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2014年12月 6日 (土)

安倍首相のブレーン、本田悦朗氏の話を聞いて

 静岡県立大学の本田悦朗教授といえば、安倍首相のブレーンで、アベノミクスを推進する内閣官房参与。昨日(5日)、日本記者クラブで、アベノミクスと消費税10%の1年半先延ばしに関して講演し、質疑を行なった。
 安倍首相とは30年ほど前に知り合い、その後、2011年にロンドン勤務から帰国したとき、同教授はデフレについて心配している安倍さんと同じ考えだった、とアベノミクスの発端を紹介した。
 本田氏によると、デフレとは物価以上に賃金が下がることで、日本は15年~20年も物価が下がっていた。デフレのもとでは、企業も消費者も貯蓄にはげむのが最適な行動であり、その結果、若い人が集中的にダメージを受ける。そこで、2011年後半から12年夏まで、安倍首相に何回か会い、「数値目標を立てて思い切った金融緩和をやろうということになった」という。緩やかなインフレ率を国民に予想として持ってもらう、そうすれば、皆がそれを前提に行動するようになるので、インフレ目標が自己実現するという。このように将来予想を変えることがアベノミクスの目的だと述べた。
 来年10月の消費税2%引き上げについては、本田氏はもともと反対だったと言い、「3党合意という固定観念に皆がとらわれていた。私は疑問点を与党の政治家などにぶつけた。それで潮目が変わってきた。安倍さんが解散総選挙を言い出したから、彼の強い意思が浸透し、長老ら、皆の態度が変わった」と語った。そして、「2%のインフレは来年の終わりまでに実現する」、「2016年10月頃、デフレ脱却宣言できよう」と見通しを語った。
 一方、日銀の大量国債購入は”財政ファイナンス”ではないかとの批判に対しては、「政府は資金調達、日銀は流動性供給、と建て前は違うが、財政ファイナンスに近いことが現実に起こっているのは確か。それで、何が悪いのか。かつて高橋是清は赤字国債を日銀に引き受けさせ、デフレ脱却に成功した」と反論した。
 このほか、「日本経済には、協調・協力、政府との補完関係がある」とか、「日本の資源を活用すべきだ」など、安倍首相のブレーンであることを感じさせる発言が相次いだ。そして、「成功への道 アベノミクス この道しかない」と自信たっぷりだった。
 なんとか長期デフレから抜け出せそうになっているのは、政府の強引な政策や指導にもよるが、安倍政権の功績と言えよう。しかし、GDPの2倍にも達した国の”借金”の削減や、日銀の財政ファイナンスの後始末など、まじめに考えたら深刻な問題について、本田教授はデフレ脱却後に考えればよい、と考えているのだろうか。そこが気になった。

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