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2014年12月28日 (日)

抑制なき借金財政のゆくえ

 毎年、暮れになると、きまって補正予算案が組まれる。春に政府が年度予算案を決め、国会で審議して決めたあと、何ヵ月かの間に、予測しない事態が生じ、予算の見直しが必要になるのはわかる。

 しかし、補正というのは追加と同義ではないはずだ。当初予算を見直して、不要になった、あるいは減額したほうがよいという歳出項目もありうる。それらのうち、まだ中止可能な予算は削減するのが筋だ。また、景気の上昇などで、税収が当初予算よりも増えた場合、それを赤字国債などによる”借金”の削減に充てるべきなのは言うまでもない。

 景気が悪い時に”借金”による景気刺激策をとり、景気がよくなったとき、増えた税収を”借金”返済に充てる。というのが健全な財政政策である。しかし、日本国の財政は、”借金”を積み重ねることで先進国では類のない巨大借金国になってしまった。その異常な事態に与党も政府も不感症になってしまっている。野党もだ。

 安倍政権はアベノミクスの効果が行き渡ることを優先しているが、それは赤字国債の大増発を続けることを意味する。財政破綻への道をひた走りに走っているとしか思われない。

 では、国会がそうした財政政策を十分に審議して予算案を成立させているか、といえば、審議らしいものはほとんどみられない。野党議員は財政を深く勉強して、補正予算案の審議を実のあるものにしてほしい。

 ところで、最近、相続税の重税化にからんで、与党が非課税措置をいろいろ導入しようとしている。高齢者が子や孫に無税でおカネを贈与する範囲を拡大するといったケースだ。高齢者の貯蓄を消費などに向かわせるというねらいもあるが、政府が国会審議を経ることなく、政省令改定で相続税の課税強化に踏み切ったため、資産保有層が資産を海外に移転させるなど反発が起きているからでもある。

 税は民主主義国家を支える根幹である。だが、この相続税強化は、役人の考えだけで極端な増税になっていて、国会がこの問題を十分に審議した形跡は見られない。

 アベノミクスは金融、財政の膨張、および民間経済活動への介入によって景気を押し上げようとしている。しかし、それらの副作用というか反動の大津波がいずれ襲ってこよう。そうした危機を予想して、国民経済の混乱をできるだけ抑える備えが必要である。政治の抱える課題はとほうもなく大きい。 

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