« 言論NPOの”安倍政権の通信簿”を見て | トップページ | 出光の昭和シェル石油買収に驚く »

2014年12月14日 (日)

日本企業が弱くなったわけを学ぶ

 有力な日本企業が競争力を失う――そんな事例が相次いでいる。さまざまな理由があると思われるが、イノベーションマネジメントの専門家である藤村博之法政大学経営大学院教授の話は傾聴に値するものだった。

 同氏の話で私なりに解釈した重要な指摘は、第1に、企業はカネの結合体であると共にヒトの結合体である。経営者はカネのほうを重視するが、ヒトの結合体をおろそかにすれば、カネの結合体も成り立たなくなるという。

 第2に、共通の目的に向かって力を合わせて動き出すとき、人間集団は組織になる。組織は構成員が徹底的に議論してこそ元気になる。管理職はやめる業務を判断することを求められるし、上位の者と交渉しないと部下の信頼を得られない。

 第3に、日本企業は異常対応力の低下、即ち、重大事故につながる異常を察知する能力を軽視する傾向がある。マニュアル化が行き過ぎてしまい、なぜ、これをやるのか、もっといいやりかたがあるのではといった工夫、改善が行われるようなガイドラインが必要である。

 第4に、日本企業は競争力がヒトの中に蓄積されるのを軽視。もっぱら競争力の源泉をコスト引き下げに求め、過度の人員整理を行なった。また、ヒトを育てる余裕を失っている。

 第5に、日本企業の職場は元気がない。従業員が楽しそうに仕事をしていない。チャレンジしなくなったし、管理職になりたがらない若手が増えている。メンタルな問題を抱える者が増えている。

 第6に、労働組合は経営側に協力して賃上げを我慢してきた。それでかえって、日本企業の競争力が弱くなった。

 こうした多くの問題を抱える日本企業を活性化するにはどうしたらよいか。藤村教授はさまざまな指摘をしたが、その中で重要なのは、労働組合の役割である。経営チェックの機能だけでなく、能力育成の場としての労組の役割などを挙げた。

 いまの日本の労働組合は、もっぱら会社側に配慮した賃上げなど穏当な活動にとどまり、残念ながら、単組を超えて、社会をよりよくするための運動という視点が乏しい。藤村教授の話は、そうした問題点の克服にもつながる広がりを秘めているだろう。

 

|

« 言論NPOの”安倍政権の通信簿”を見て | トップページ | 出光の昭和シェル石油買収に驚く »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/60809948

この記事へのトラックバック一覧です: 日本企業が弱くなったわけを学ぶ:

« 言論NPOの”安倍政権の通信簿”を見て | トップページ | 出光の昭和シェル石油買収に驚く »