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2015年1月30日 (金)

「公益法人」制度の問題点

 財団法人、社団法人といったいわゆる公益法人の制度が2008年12月から新たな仕組みに改められた。それまでの公益法人は新たな制度のもとで、第三者審査機関の審査にパスしないと公益財団法人、公益社団法人を名乗れなくなった。一方、審査を受けて落第した法人や審査を受けない法人は公益性が乏しく、行政のチェックのない一般財団法人、一般社団法人になる道を与えられ、2013年11月末までに申請することになっていた。

 この制度改革には意外や問題があったということを、『公益法人改革の深い闇』(NHKクローズアップ現代取材班、宝島社)を読んで知った。

 新しい公益財団法人および公益社団法人は、特定の官庁との結び付きが切れたため、補助金や委託金と裏腹の天下りなどを抑えるという意義がある。しかし、一般財団法人、一般社団法人は活動に関する情報公開の責務がほとんどない。それに、およそ公益性に乏しい活動を行なっていても、監督官庁によるチェックもなく、犯罪の温床になったりしている。

 同書を読むと、NPO法人などがあるのだから、公益法人制度改革で、わざわざ一般財団法人や一般社団法人のようなあいまいな問題含みの組織を認める必要があったのか、疑問を抱く。一般社団法人などに、国や自治体がどんな業務を委託したのか、どういう補助金をいくら出したのかなど、細かく公表する義務はない。受け手の一般法人のほうも公表する義務はない。ということだから、国や地方自治体が天下りと抱き合わせで税金をいい加減に使ったとしても、それが公けになる可能性は乏しい。

 一般社団法人の設立はきわめて簡単なので、一般社団法人の設立が増えている。問題は、かつての民法時代の社団法人というイメージが社会に残存していて、信頼性をもって見られるため、それを逆手にとって、悪質な一般社団法人が金融犯罪などで暗躍していることだという。

 同書がいくつかの新旧法人を丹念に追及した悪質な事例で、公益法人改革の裏面を知ることができた。私たちは”政府”の言うこととやっていることとの違いを見逃さないようにしていきたいものである。

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