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2015年1月21日 (水)

財政健全化と社会保障改革への提言を読む

 公益財団法人 総合研究開発機構(NIRA)がオピニオンペーパー「社会保障改革しか道はない――今こそ、財政健全化への決意を示すとき」をこのほど発表した。土居丈朗慶応義塾大学教授ら6名の専門家がまとめた。

 「今こそ、財政規律を確立するための道筋を、2020年度の財政健全化目標の法定化という強い決意で示し、わが国の政府財政への信認を揺るぎないものとしなければならない」と訴え、国・地方の基礎的財政収支の2020年度までの黒字化、およびその実現に向けた中期財政計画の今夏までの作成の2点についても合わせて法定化するよう提案している。

 基礎的財政収支の黒字化を達成するためには5%程度の名目経済成長率の達成が必要だという。しかし、こうした高い経済成長は現実離れしている。他方、日本の財政支出増はほとんど社会保障支出の増大によるもので、非社会保障費の削減余地は限られている。

 したがって、社会保障費の改革を行ない、過剰に費用がかかっている支出の効率化や有用でない支出の見直しなど社会保障給付の改革を求めている。そのうえで、残る赤字については、消費税の10%への引き上げのあと、さらなる引き上げが必要となるとしている。

 消費税に社会保障給付の負担増を求めるのは、①消費税が景気に左右されない安定的な財源である、②いまを生きる世代が老人も若者もともに負担するので、将来世代につけを回さないですむ、からという。

 このペーパーは割合に穏当な内容だが、法定化など納得できる。安倍内閣はばらまきや甘い幻想を国民に振りまいているからだ。続編が予定されており、社会保障改革の具体的な施策について示すという。それに期待したい。

 また、今回のペーパーが取り上げていない点について述べると――

 財政健全化のためには、非社会保障支出の中身の効率化も重要ではないかと思う。霞が関の各官庁が所管する歳出はゼロベースで見直すなら、かなりの削減が可能だと思う。予算規模を膨らませる補正予算の制度も改める必要がある。また、社会保障関係以外の特別会計も、中身を厳しく点検すれば相当の効率化が図れるのではないか。

 一方、歳入のほうにも厳しいメスが入れられるべきだ。国税庁と日本年金機構との一本化とか、社会保障や納税などに用いる国民共通番号、あるいは消費税の”益税”、など、挙げればいくつもある。

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