« 尖閣をめぐる軍事紛争を懸念する | トップページ | ダイオキシンの”元凶”の濡れ衣が晴れた塩ビ »

2015年1月 4日 (日)

新春の新聞紙面から考えたこと、感じたこと

 元旦の朝、東京都区内の主要な道路はほとんどクルマが走っていない。主要各紙の朝刊を買いに出かけたら、街で日の丸の国旗を掲揚しているところが珍しくあった。近寄ったら、交番だった。子供の頃―20世紀の半ば頃の話だが―、祝祭日には、各家庭とも国旗を掲げていたことを思い出した。

 戦争に負けて、どん底から国民の皆が復興に取り組んでいた時代、日の丸は何を意味していたのだろうか。そして、いま、日の丸に象徴される国家に対し、国民はどのような思いを抱いているのだろうか。国にしてもらうことばかり考え、ともすれば、国にどう貢献するかを忘れていはしないか、心配になる。財政破綻は、そうした甘えのたどり着く終着駅である。

 例年、1月1日付けの主要紙に目を通す。ことしの紙面から受けた印象は次の通りだ。

・昨年に比べ、紙面のページ数が増えた。第二部以降、第三部、第四部……と、別刷り特集が増加した。それと裏腹だが、広告量が増えた。しかも、大企業が1ページまるまる自社広告に充てるというケースが目についた。正月の福袋の売れ行きが昨年より断然よかった。消費景気の上昇は新聞にも顕著に現われている。

・新聞は大特ダネがあると、紙面が映える。ことしは読売新聞の「ビットコイン  不正操作」、東京新聞の「武器購入国に資金援助  途上国向け制度検討」といった特報に驚いた。ITのような技術革新分野は、想像もしないような悪質な犯罪が起こる可能性を秘めていることを痛感した。また、安全保障面でこれまでの平和主義から逸脱し始めた安倍政権の新たな危険性が明らかになった。

・他紙は、連載企画記事で1面トップをつくった。産経新聞の新連載「天皇の島から」は70年以上前の戦争にまつわる新事実を掘り起こしている。朝日新聞は「鏡の中の日本  戦後70年」と題する長期連載を開始、日本経済新聞は「働きかた NEXT」、毎日新聞は「Woman―私らしく」と人に焦点を当てた連載企画を始めている。

・東京新聞が「平和の俳句」と題する欄を設けた。俳句で平和を実現していこうというのがねらい。安倍政権が防衛力の強化などにより「普通の国」をめざしているのに対し、一紙とはいえ、新聞が平和国家路線をこうした形で明確に提示したのは注目してよい。

・朝日新聞のオピニオンのページ「インタビュー2015」は読ませる。好みで言えば、正月の新聞記事の中で一番だと思う。1月1日は経済学者のトマ・ピケティ、3日は歴史学者のニーアル・ファーガソン、4日は人類学者の川田順造の各氏へのインタビューでそれぞれほぼ1面を使っている。このぐらいの分量だと、各氏の発言がかなりくわしく読める。新聞が生き延びる方策の1つは、こうした形での、すぐれた学者、専門家に対するインタビュー記事の掲載ではないかと思った。

|

« 尖閣をめぐる軍事紛争を懸念する | トップページ | ダイオキシンの”元凶”の濡れ衣が晴れた塩ビ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/60922317

この記事へのトラックバック一覧です: 新春の新聞紙面から考えたこと、感じたこと:

« 尖閣をめぐる軍事紛争を懸念する | トップページ | ダイオキシンの”元凶”の濡れ衣が晴れた塩ビ »