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2015年1月25日 (日)

「財政再建待ったなし」と経済同友会提言

 経済団体の経済同友会が、「次世代にツケを残すな」と、政府に対し、財政再建に直ちに取り組むよう求める提言を行なった。具体的には、①消費税率の引き上げ=17%までの引き上げが必要。少なくとも10%までは単一税率を。②社会保険分野全体の見直し=医療・介護分野の給付抑制、利用者負担増、医療介護サービスの生産性向上。③年金分野の抜本改革=65歳以上に月7万円給付、財源は全額目的消費税、基礎年金の個人負担廃止、を提唱している。
 そして、「いつか、ではなく、動くのは今」と強調。さもないと、なす術なく破綻に突き進むことになりかねないと言っている。
 「国民の間には、財政再建の機運は全く盛り上げっておらず、それどころか、社会保障を中心に、財政を顧みないかのような更なる充実策を求める声すらある。そして、痛みを伴う施策に対しての強い拒絶反応が蔓延している」――同友会はそうした現状に強い危機感を抱いている。そして、公債等残高と1人当たり負担額の将来推計を行ない、財政収支の一層の悪化を数字で示している。
 2015年度の国・地方の公債等残高は1016兆円、生産年齢人口1人当たり1323万円である。それが、2020年度には1141兆円、1554万円になり、2030年度には1440兆円、2126万円と推計している。そして、財政の将来試算を4つのケースで行なった。
 その上で、①財政健全化法の制定=中期財政フレームを定めて将来の歳出を拘束する、②予算制度の改革=補正予算の管理、ペイアズユーゴー原則の徹底、③独立財投機関(日本版GAO)の設置=財政政策の分析評価などにあたる、といった改革を提案している。
 現在、日本の企業は内部留保をためこんでいると政府・与党から批判されている。しかし、今回の提言は、政府・与党が財政再建に本気で取り組んでいないため、経済界が日本経済の将来を危うんでいることを如実に示している。日本経済の将来展望が暗ければ、企業が国内で設備投資などに積極的になるはずがない。安倍内閣に対する経済界の不信・不安を感じ取ることができよう。

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