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2015年1月31日 (土)

長期エネルギー見通しで原発をどう位置づける?

 2030年の国内のエネルギーミックス(電源構成)をめぐる総合資源エネルギー調査会(エネ庁)の分科会・小委員会が1月30日に開催された。焦点は原発への依存度だ。政府は東日本大震災の前は3割近かった原発の割合を「可能な限り低減させる」と言ってきたが、再生可能エネルギーへの依存度と合わせ、どこまで原発依存度を下げるのが望ましいか、その根拠は何か、議論の過程をきちんと公開すべきだ。

 そして、この議論を進めるにあたっては、東電福島第一原発の教訓を十分に踏まえる必要がある。大震災から3年10か月近く経つが、福島第一原発1~4号機の後始末は遅れに遅れている。高濃度の放射性物質を含む汚染水の処理に苦しんでおり、トリチウム除去技術が開発できないとタンク収容能力の限界を超える。

 3号機の核燃料取り出しは計画よりかなり遅れるというし、1、2号機も技術的な難しさで取り出しはほとんど手付かずである。要するに、いまの軽水炉では、ひとたび大事故が起きたら、収拾不可能のおそれがある。

 したがって、大規模地震がいつ襲ってくるかわからない日本列島において、軽水炉のリスクはどうか、という視点が審議会の議論では不可欠だ。技術進歩により、軽水炉と異なり、フェール・セーフが格段に向上した新しいタイプの原発が開発されているという話も聞く。

 審議会では、再生可能エネルギーのコスト高や、二酸化炭素排出量の増加などの問題点も指摘されるだろう。それらも重要な論点である。しかし、2011年3月11日の”日本が震えた日”の恐怖を忘れないように、このエネルギー・ミックスをめぐる議論の会場は福島第一原発に近い場所にしたら、と思わないでもない。

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