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2015年3月16日 (月)

非正規に目を向けた春闘

 春闘(春季生活闘争)は自動車、電機などへの回答が18日に行なわれる。トヨタのベア4000円、電機大手のベア3000円など、定昇を含め、近年にない高い水準の賃上げとなる。他の産業、企業の賃金も高収益、人手不足などを背景に非正規を含め上昇する見通しである。

 個人的に、この春闘で評価したいのは、一部とはいえ、大企業の労働組合が非正規労働者の賃金改善などに真っ向から取り組んだという点だ。例えば、春闘のリーダー格である自動車総連は1月15日に決めた「2015年総合生活改善の取り組み方針」で「4.非正規労働者に関する取り組み」を2ページにわたって記述している。

 具体的な取り組みとして「職場全体のチームワークで生み出した成果は職場全員で共有化することが基本との考え方を踏まえ、成果の適正配分を求めていく」と言い切っている。

 そして、「直接雇用の非正規労働者については、原則として、賃金改善分を設定する。また、一時金が設定されている場合については、正規従業員に準じた取り組みを行なう」としている。

 また、「直接、間接非正規労働者に限らず、人材確保という観点からも正社員登用制度のより積極的な促進を労使協議の場で求めていく」と述べ、派遣労働者については、「臨時的・一時的な雇用である」という原則を労使で確認するとともに、必要以上の拡大は認めないというスタンスを堅持するとしている。

 同じ職場で働いていても、正規と非正規の労働者には厳然とした労働条件の格差が存在する。そして、社員が非正規従業員を低く見るという傾向は続いている。しかし、低賃金など悪条件で働く非正規労働者が3分の1を占めるほどになり、さすがに連合などの労働運動組織も現実を直視せざるをえなくなり、非正規労働者の組織化や労働条件改善に取り組み始めたところだ。それが今度の春闘で目に付くようになった。

 とはいえ、今回の春闘は、アベノミクスを掲げる安倍政権の経済界に対する働き掛けがかなり影響したように思う。企業別組合に立脚する労働運動は意識改革が遅れたのではないか。これを機に、労働組合の側が総労働の視点で、働く者の一致団結と改革への運動に組織を挙げて取り組む時期に来たのではないか。

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