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2015年3月 3日 (火)

震災復興予算はどこまで膨らむのか

 このブログの2012年8月18日付け「震災復興の名を借りた巨額の財政支出へ警告」は、今度、日銀の審議委員になる原田泰氏が書いた本『震災復興 欺瞞の構図』(2012年3月刊)を取り上げた。

 同書の「終わりに」は同氏の主張を一言で表している。即ち、「東日本大震災で被災した人々を直接助ければ4兆円の復興費ですむ。個人財産を政府の費用ですべて復旧したとしても6兆円ですむ。19兆円から23兆円と言われる復興費も要らないし、そのための10.5兆円の増税も必要ない」。

 さて、3月3日の日本経済新聞は会計検査院による復興予算の執行状況を報じている。それによると、2011~2013年度の復興予算は25兆1009億円で、実際の支出は20兆1211億円、執行率80.1%だったという。「がれき処理や道路整備は進んだが、地場産業や住宅の再建は人手不足などが壁となり遅れている」という。

 同紙の解説によると、復興予算は民主党政権のとき19兆円を大枠として設け、自民党が返り咲いた安倍政権になって25兆円に増やした。そして2015年度までの予算合計は26.3兆円に達する。

 記事によると、政府内では2016年度からの復興予算の枠組み作りが始まったとし、被災地3県の試算によると、2016年度からの5年間の必要額は最大8兆円だと伝える。

 しかし、同紙は復興予算に対して、「実際には被災地と関係の薄い事業にお金が流用されるなど税金の無駄遣いにつながっているとの批判も根強い」と指摘している。原田氏の本はずばり、「事業官庁としては、これを機に多くの予算を獲得したい……」、「政府や自治体は、震災復興に関係のない、効果の明らかでないことに税金を使おうとしている」、「震災復興策は、票田を維持するための利益誘導政策として、経済効果の低い、予算の消化を自己目的とした事業になるだろう」などと解説している。

 そうした指摘は的を射ている。会計検査院は本来、そのようなチェックの機能を果たすべき組織でなければならないと思う。

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