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2015年4月15日 (水)

環境汚染で高まる中国国民の不満

 中国の内陸部にある四川省で、コークス工場の異臭が激しく、怒った大勢の住民が警官隊と衝突したと伝えられる。また、つい先日、広東省で廃棄物焼却工場の建設計画に反対する沢山の住民が警官隊などとぶつかり、工場建設計画がとりやめになったという報道があった。中国では、経済が急成長し、国民生活も豊かになったが、それと引き換えに、大気、水、土壌などの汚染がすさまじい勢いで進行している。

 北京をはじめ中国本土のあちこちで、大気中のPM2.5の濃度が頻繁に健康を害するレベルになっている。濃霧のような大気汚染の日がしばしばで、外を歩く人たちがマスクをしている報道写真にもよくお目にかかる。

 環境汚染以外にも、食品などで有害物質が使われていることがあるので、国民の身体を害する危険がある。多少の知識がある国民であれば、政府や企業が環境汚染防止対策を実施することを内心望んでいるだろう。

 そして、ロイター通信によれば、中国政府の環境保護省のシンクタンクは、環境汚染対策への取り組みが十分に成果をあげないと、国民の不満が高まり、社会不安が広がりかねないと警告したという。異例なことだと思うが、それだけ、国民の不満がうっ積しているということではないか。

 中国中央テレビの女性キャスターだった柴静が2月末に中国の環境問題を取り上げたドキュメンタリー「穹頂之下」(Under the    Dome)をネットで公開し、大反響を呼んだ。数日して政府のストップがかかり、中国内ではネットでアクセスすることができなくなったが、1日で2億回もアクセスがあったということは、国民の関心の高さを表している。出演者の顔ぶれや協力した大学などの組織を見れば、党や政府の要人の一部にせよ、環境政策の必要性を理解していることは明らかである。

 中国では政策の変更の是非が権力抗争と密接に関わる国である。そして、環境汚染の元凶である鉄、化学、石油などの重化学工業や自動車などと結び付きの深い党幹部が環境保全重視の政策に転換しない限り、環境汚染は深刻なレベルが続く。シンクタンクの警告や柴静のドキュメンタリーは、そうした状況を打開するための一歩前進のようだ。 

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