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2015年4月28日 (火)

財政健全化に向けての動き

 外資系の格付け会社、フィッチ・レーティングスが4月27日、日本国債の格付けを1段階引き下げて「A」(シングルA)にした。上から6番目。これまでは「A+」(シングルAプラス)で、中国と同格だった。

 日本政府が2015年10月に予定していた消費税の10%への引き上げを先送りしたこと、2015年度の国家予算が歳出削減などの財政健全化策を盛り込まなかったことなどが格下げの理由という。

 財政健全化のためには、経済成長(による税収自然増)、消費税などの増税、社会保障費などの歳出の削減が必要だが、安倍政権はもっぱら財政拡大などによる経済成長を追い求め、それ以外は国民の抵抗が強いとみて控えている。経済構造改革も中途半端だ。格下げは、こうした政権の姿勢を反映したものと言えよう。

 ところで、同じ27日に経済同友会の代表幹事に就任した小林喜光三菱ケミカルホールディングス会長は、国の財政および人口減少問題への取り組みが待ったなしだと強調。政府や同友会会員企業に持続可能性を踏まえた対応を求めた。

 そして、1月に同友会が発表した提言を踏まえて、消費税増税、社会保障費の切り込みなど財政健全化策が2015年度国家予算に盛り込まれていないと指摘した。

 安倍内閣は6月末までに財政健全化計画を作成する。2020年度までにPB(プライマリーバランス)を黒字にするのが目的だ。そのための準備作業として、財務省が財政制度等審議会を同じ27日に開催、社会保障改革案を提示した。医療・介護の患者負担を増やしたり、高所得者の年金を減額したりして、国の社会保障費負担を減らすという内容だ。

 ここでの議論の結果は経済財政諮問会議に持ち込まれるという。以上、いずれも財政健全化に向けての一歩である。

 ただ、安倍首相はPBの20年度黒字化達成が難しいことから、財政赤字のGDP比といった別の達成容易なものさしに入れ替えようとしているともいわれる。目先、それで誤魔化しても、財政危機の実態は変わらないだろうが。 

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