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2015年4月18日 (土)

財政危機どこ吹く風とバラマキを行なう政府

 OECD(経済協力開発機構)のアンヘル・グリア事務総長は対日審査報告書発表の記者会見(4月15日)で、日本が財政再建のため、歳出減、歳入増を図る必要があり、消費税については15%に引き上げるべきだと語った。

 では、日本政府は、こうした指摘をまともに受け止めているのだろうか。そんな疑問が浮かぶような出来事がある。4月16日の日本経済新聞夕刊によれば、地方創生関連の国からの交付金をもとに、自治体によるプレミアム付き宿泊券・旅行券の販売が始まったという。鳥取県では、1万円分の宿泊券を5千円で売り、発行した1万4千枚がわずか4分で売り切れたそうだ。徳島県、大分県などでも同様な宿泊券などを計画している。

 これらが鳥取県などへ旅行客を呼び込むということで、一時的に地域経済にプラスになるのは確かだ。しかし、そうした思い付き程度のことが地方経済を持続的に支え、発展させる”地方創生”につながるとは考えにくい。

 国に納めた(?)税金をこうした形で、一部の利用者に贈与するのは税の適正な使い方だろうか。それに、プレミアム付きの券は枚数が限られるので、転売すればもうけられる。不公正な行為が起きかねない。

 人気の「ふるさと納税」も、同様に問題が多い。税を受け取る地方自治体は、地元の物産を納税者に送るのだが、かかったコスト(それも税金でまかなう)が高くても、差し引き、多少でもカネが残るのなら、得になる。だから、納税者が飛びつきそうな好条件を提示して「ふるさと納税」先になろうとする。

 しかし、「ふるさと納税」制度のないとき、納税者は誰も、地域の住民として納税し、公的なサービスを受けていた。地方自治体は地域住民からの税収をもとに公的なサービスを提供していた。しかし、「ふるさと納税」の利用者は自分の住む地域の公的サービスは従来通り受けるが、その費用に相当する地方税を何割か納めない。同じ公的サービスを受けながら、それに見合う税をまるまる納める住民と一部しか納めない住民とが並存する事態が起きているのである。しかも、一部しか納めない住民のほうが地方特産品をもらっているなんて、不公正の最たるものだ。

 「ふるさと納税」で税収が減った自治体は、地方交付税交付金などの形で、国の財政から補填してもらうことになるだろう。結局、「ふるさと納税」は、地方特産品を自治体が買い上げるという官需を生み、国の財政悪化を促進する。

 高度経済成長時代から行われてきた、カネをバラマキ、一時的に地方経済を刺激するというやりかたは、”地方創生”にはつながらない。地域の経済社会を担う人材を発掘、育成し、彼らが中心になって構造的、持続的な改革を進めるようにもっていくことが必要だと思う。いま、安倍政権がやっていることは、バラマキで財政赤字を積み上げ、財政危機をより深刻化しているのではないか。

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