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2015年5月17日 (日)

鳥獣戯画展は行列するだけで3時間半もかかった

 東京国立博物館は京都・高山寺の国宝「鳥獣人物戯画」を4月下旬から6月上旬まで展示している。前期と後期に分けて、甲、乙、丙、丁の各巻について、前半部分の展示と後半部分の展示を入れ替え、展示しない部分はコピーを展示するというやり方。前期はきょう17日までだ。きのう(16日)は夕方6時まで開館しているというので、午後に見に行った。

 展示は平成館で行われているが、この建物に入るにはまず、長い行列に並ばねばならない。午後4時過ぎに並んだら、係員がいて、5分ごとに20人余入れている。それが30人前後になり、40人ほどにと増えていった。それでも、私たちが入館したのは夕方5時半過ぎだった。入館するまでに80分余りかかった。

 係員は、閉館時刻を午後7時に延ばしたと言い、教科書などによく出てくる鳥獣戯画の甲巻に限り、午後7時までに行列に並んでいれば、何時になろうと見ることができると言った。入館してエスカレーターで2階の展示場に上がったら、甲巻を見るための長い長い行列ができていた。そこで、まずは甲巻以外の展示を見ることにした。珍しい白描画像、中興の祖、明恵上人をめぐるさまざまな展示は結構興味深いものがあるが、時間がないので、ちらりと見るだけにとどめ、戯画の展示室に行った。人は多かったが、断簡、丁巻、丙巻、乙巻を一通り見た。

 6時半ごろに一休み。2時間以上、立ちっ放しだったので10分ほど座った。そして、今度は甲巻の行列に加わった。夕方6時40分ごろだ。それからが難行苦行。夜の8時50分ごろまで2時間余り、おとなしく行列していた。腰が痛くなるし、腹は減ってくるし、年寄りにはきつかった。

 長い長い立ちっ放しの苦行のあと、やっと私たちが甲巻を見始めたら、複数の係員が「立ち止まらず、左へ一歩ずつ進んでください」、「前の人との間を空けないでください」などと繰り返し背中のほうから言う。私たちは立ち止まらず、左へ、左へと移動しながら見ていった。したがって、1分も見ていたかどうか。

 私たちの場合、もともと夕方6時閉館の予定だった。それが3時間弱、遅くなった。私たちのあとに並んでいた最後尾はおそらく10時近くに見終わったのではないか。前日の金曜日には8時閉館が11時ごろにずれたという。職員たちもくたびれただろうが、これからも、長い行列になすすべがないのだろうか。

 鳥獣戯画は蛙、兎、猿などが人間のようにユーモラスに描かれており、国民の誰もが学校の教科書で見たことがある。新聞社の拡販用に無料券が大量に配られたせいもあり、博物館にどっと押しかけたのだろう。しかし、若い人も年配者も、長い長い行列にいて、誰も不満の声一つ洩らさなかった。静かに本を読んでいたり、スマホをいじっていたり、あるいは、何もせず、じっとしていたり。幸い、体調を崩して行列から離脱する人は見かけなかった。

 博物館の表玄関には、入館までの時間などの表示がされていた。入館者はそれを承知で入ったのだろうが、「長時間、静かに待つ」ことに慣れない年寄りとしては、博物館に対し、苦情の一つでも言いたくなる。展示をじっくり鑑賞できるゆとりを保てる範囲の入場者数しか受け入れないというのが、本来の博物館の役割ではないか、と。そして、独立行政法人化したため、もうけ主義になっていないだろうか、と。

 

 

 

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