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2015年5月 4日 (月)

財政規律がゆるんだままの安倍政権

 東短リサーチ代表取締役社長チーフエコノミストである加藤出氏が言論NPOの「言論スタジオ」(5月1日)で、日銀の超金融緩和からの出口戦略について、次のように語った。

 「日銀が国債を買い続けると、ますます政府の財政規律は緩むことになる。そうするとますます出口が遠くなる……」。 

 「いまの日本のように政府が日銀に「甘えている」ような構造が続くと、(出口戦略は)難しくなる」と。

 4日の日本経済新聞は、2020年度までに基礎的財政収支を黒字化するため、政府が夏にまとめる財政健全化計画について、実質2%以上という高い経済成長率を前提にすること、2017年4月に消費税を10%に引き上げたあと、さらなる消費税増税はしないこと、そして2018年頃に健全化計画を見直すことなどの基本方針を固めたと報じている。

 財政再建には、歳出削減、増税、経済成長による税収増といった3つの方策がある。すなわち、①高齢化による社会保障費の増大を抑えるために医療、介護などの歳出を効率化し、削減する、②法人税は国際的な企業誘致のために下げざるをえないが、消費税は西欧に準じて上げる、③産業保護規制の緩和などで経済・産業の成長発展を促し、それによって税収の増加を図る、である。

 しかし、安倍政権はアベノミクスを支える日銀の超金融緩和と潜在成長率を超えるような経済成長という、国民が目先、痛みを感じない政策に傾斜。消費税増税や、歳出の合理化、効率化といった国民が痛みを感じるような政策を避けてきた。

 良薬は口に苦し。政治は本来、国民を説得し、問題を将来に先送りしないようにすることが望ましい。だが、政府与党は、そうした役目を避け、その結果、財政悪化を加速してきた。日経の記事から推察すると、2018年頃に、また国民の目をくらます新・計画を出すのではないか。

 いまのアベノミクスだと、政府は財政赤字を補てんするため、さらに多くの赤字国債を発行し、日銀は限りなく赤字国債を買い取る状態が続きそうである。それがどこまで続くか。日本経済はどうなってしまうか。安全保障政策も重要であるが、国の基盤である経済が正常化するメドはたっていない。

 事態は容易ならざるところまで来ているようだ。

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私たちは日々正しい知識を拾い上げそれらを身に着けて、毎日を生き抜いていきます。それらの知識があらわす現実が真の現実であって、そうでない話は現実ではない。そこを見分けながら私たちは毎日やっていく。そういう知恵を持っています。 ... [続きを読む]

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