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2015年5月20日 (水)

巨額の財政赤字が小説などのテーマに

 財政危機、財政破綻、財政再建、財政改革……、こうした言葉がメディアに頻繁に登場するようになったのは近年のこと。安倍内閣においても、経済再生を優先しつつも、財政健全化を唱えざるをえなくなっている。だが、基礎的財政収支(PB)の大幅な赤字を2020年までにゼロにする道筋をつけることは難しそうだ。日本は、先進国で最も財政悪化が深刻とされるが、国民はこの問題にどれだけ関心を持っているのだろうか。

  「このミステリーがすごい」大賞を2013年に受賞した『ボクが9歳で革命家になった理由』(八木圭一著)、それを改題・加筆修正した小説『一千兆円の身代金』を読んだ。元副総理の孫を誘拐し、日本政府に対し、身代金として国の借金と同額の1085兆円を要求する誘拐事件の話である。

 「一兆円の紙幣は重さにして百トン、上に積み上げれば一万メートルらしい。この一〇八五倍となると、想像を絶するものがある」と書かれている。日本の国家財政の危機の実相は目方などで測っても、途方もないスケールである。

 そして、この身代金要求が受け入れられない場合には、財政危機を招いた責任を謙虚に反省し、国民に公式に謝罪するとともに、具体的な財政再建案の提示、それを実施するまでの消費税増税、議員賞与一時凍結を確約するよう求めている。それも、小学生にも伝わる説明を条件としている。

 事実は小説より奇なり、という言葉があるが、日本政府が国民一人当たり800万円以上もの借金を積み上げてきたことは恐るべき退廃である。そして、それを漫然と許してきた国民の無関心さも。小説は荒唐無稽と片付けられない深刻な現実を読者に突き付けている。

 2013年3月に公開された東映映画の「相棒」シリーズ「Xday」は、国家財政が破綻したときに金融取引などで何が起こるか、シミュレートする話が出てくる。この映画はことし4月にもテレビで放映され、それを私は見たのだが、日本の政・官の指導層が財政破綻をやむなしとして破綻後に備えているという筋書きは、かなりいい線を行っているように思われた。安倍政権も、本音では、この通りではなかろうか。

 小説などで財政危機が直接間接に取り上げられるなら、国民のこの問題に対する理解や認識は深まると思う。そうなってほしい。

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