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2015年6月16日 (火)

政治思想から見た財政再建

 6月12日の日本経済新聞「経済教室」のページに、小林慶一郎慶応大学教授が「財政が迫る新政治思想」と題して書いている。

 普通、政治はいま生きている人たちの多数決で決まる。したがって、財政健全化と社会保障制度の持続性維持という課題についても、本来は利害関係を持つ将来のすべての世代を含めた多数決で決めるべきなのに、現実には、現存者だけで決めている。先進諸国で支配的な個人主義的自由主義の欠陥が日本の財政問題にも表れているという。

 小林教授によると、個人主義的自由主義の政治思想は、「現在世代の快適な生活を犠牲にしてまで守らなければならないような、個人を超えた政治的価値を提供できない」。このため、適切なタイミングで十分な規模の財政再建を実行することはできないという。

 その結果、もし財政の破綻的な調整が起きれば、その国は全体として長期的に衰退する可能性があると同教授は指摘する。現代の民主制国家が皆、抱えるこの個人主義的自由主義の欠陥が日本の財政問題に表れているというわけだ。

 同教授は、公民的自由主義(シビック・リベラリズム)という新しい政治思想を踏まえ、「政治から独立した中央銀行のような長期的財政機関を設立し」、そこに「議会や政府の財政運営を規律づける権限を与えるというような民主制の補正が正当化」されることを期待している。

 安倍政権は6月末に財政健全化の方針を定めるが、小林教授は、そんなもので財政再建は不可能だと暗に言い切っているのだと思う。

 

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