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2015年6月10日 (水)

違法な長時間労働などと監督行政の現状

 オーストラリアに住む日本人から最近聞いたジョーク。オッシー(オーストラリア人)の仕事ぶりを記したカードを示し、内容を紹介した。それによると、

 規定の始業時刻は朝8時30分。実際の出勤は9時30分。

 9時45分にモーニング・ティー。11時ごろに仕事開始。11時15分、ランチの準備。

 12時ランチ。

 午後2時45分仕事再開。3時アフタヌーンティー。

 4時退社準備、4時30分退社。規定の終業時刻は5時。

 以上、ジョークの内容だが、彼によれば、「とにかく、オッシーは働かない」と言う。石炭、鉄鉱石など自然資源が豊富なので、大して働かなくとも、豊かに暮らせるということらしい。

 そして、最近、日本の厚生労働省の労働基準監督行政の責任者から日本の労働基準監督の仕組みや長時間労働や過重労働対策などの現状を聞く機会があった。天国と地獄というか、労働事情があまりに違うことに驚いた。過労死が繰り返されるほどに働かなければならない日本は、貧しい国と言うべきだろう。

 一般労働者(パート以外の者)の総実労働時間は2021時間に達する。週60時間以上働く雇用者は減少傾向にあるが、それでも2014年実績では464万人(8.5%)いる。うち、30代男性が126万人(雇用者に自営業主と家族従業者を含む)に達する。これは、30代で週60時間以上働いている者が17.0%もいることを表している。

 日本政府は2014年9月30日に長時間労働削減推進本部を設置し、過重労働等撲滅チーム、働き方改革・休暇取得促進チーム、省内長時間労働削減チームの3チームを設けた。同年11月、過労死等の労災請求のあった事業場等に対して「重点監督」を実施した。

 ことし1月に発表されたこの「重点監督」の結果によれば、「重点監督」を実施した4561事業場の83.6%にあたる3811事業場で労働基準関係の法令違反があった。「違法な時間外労働」2304事業場(50.5%)、「賃金不払い残業」955事業場(20.9%)。

 「過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善指導」2535事業場(55.6%)、「労働時間の把握が不適正であり指導」1035事業場(22.7%)。

 また、ことし1月から、月100時間超の残業が行われている事業場等に対する監督指導を徹底し始めた。さらに、社会的に影響力の大きい企業が違法な長時間労働を複数の事業場で繰り返している場合、都道府県労働局長が経営トップに全社的な早期是正を指導し、かつ、その事実を公表するようにした。

 ゆっくりとだが、働き過ぎの歪みを是正するための取り組みが進んでいる。冒頭のオーストラリアとの違いは大きいままだが。

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