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2015年7月18日 (土)

経済同友会のアピール「持続可能な社会の構築に向けて」

 経済同友会は7月17日に終えた夏季セミナーで、「持続可能な社会の構築に向けて」と題するアピールをまとめた。「これまでの延長線上に未来は無い」という書き出しを受けて、「わが国は2020年までに、財政健全化や地方創生、高齢化問題などの、解決に長期を要する課題の克服に目途をつける必要がある」と指摘。「経営者自らが心の中の岩盤を打ち破り、生産性革新を追求するとともに、新たな経営と社会の実現に挑戦する」と宣言している。

 アピールは4つの柱から成り、その2番目は、「2020年以降の新しい社会に向けて、あらためて税・社会保障の一体改革を」である。

 そこでは、財政健全化に関して、2020年度の基礎的財政収支黒字化を一里塚とし、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えた健全化の議論を始めよと主張している。もっともな指摘だ。

 歳入面では、給付付き税額控除の導入、10%超への消費税率引き上げ、法人税の外形課税拡充と法人実効税率20%台への具体的道筋の提示などを求めている。そして、「保守的な経済前提で計画を策定し、税収が見通しを超える場合には国債償還への充当を徹底すべき」と言う。これは、安倍政権の財政再建に対する取り組み姿勢に疑念を抱いていることを示したものだろう。

 歳出面では、「経済・財政再生計画」に示された改革項目の早急な具体化が必要であるとし、医療・介護の給付抑制とともに、IT活用による効率化が不可欠と主張している。しかし、歳出面での指摘はごく限られた内容にとどまり、パンチ力に欠ける。

 7月16日の経済財政諮問会議で、新浪民間議員は、医療費のうち、「調剤」の技術料だけで1.7兆円にも達していることを知らなかったと驚いている。毎年、急激に膨らむ社会保障費には、効率化して削減できる費用が多々ある。そうした抜本改革を経済同友会は積極的に掲げていってほしい。

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