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2015年7月 1日 (水)

歳出削減に腰が引けた”骨太の方針”

 政府は6月30日の臨時閣議で、経済財政運営の基本方針(通称”骨太の方針”)および成長戦略、規制改革実施計画をそれぞれ決定した。ギリシャがいままさに財政破綻に直面しているのとは違うが、日本の財政も破綻に向かって歩み続けているのは変わらない。現実を直視せず、高い経済成長という甘美な夢で財政健全化が図れるという安倍首相の路線は極めてリスキーだと思う。

 3年余り前の「日経ビジネスオンライン」で、「財政再建と経済成長を両立させる「ナナサンの法則」」なる記事を読んだ。ハーバード大学のアルベルト・アレシナ教授らが行なった研究で、OECD加盟の20カ国の長期にわたる財政データを分析。財政再建に成功したケースをみると、歳入拡大よりも歳出削減に力を入れたほうが多かったという。

 この記事では、財政再建の政策を要約して、歳出削減と歳入拡大の比率は7対3にすること、社会保障と公務員人件費とに切り込むこと、法人税(課税ベースの拡大)と間接税(消費税)を中心に歳入拡大を図ること――という政策パッケージを提案している。

 歳出削減よりも経済成長による財政再建をめざす今度の”骨太の方針”は、見通し通りにいっても、単年度の財政赤字が続くし、国債残高は現時点よりも積み上がる。それに、超低金利はいずれ修正されるから、それに備えて国債残高の削減が必要である。

 それをどうやって実現するか、道筋を示すべきなのに、安倍政権は、国民の反発をおそれて、経済成長というストーリーで誤魔化そうとしている。2020年に基礎的財政収支を黒字化するという目標は、財政破綻を避けるための初めの一歩にすぎないのに、それすら、真っ向から取り組めない安倍政権。安全保障法制の改定に力づくで臨んでいるのと同様、国民にきちんと問題点を説明し、理解してもらうという姿勢が乏しいのではないか。

 

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