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2015年7月24日 (金)

FT買収に踏み切った日経

 日本経済新聞社が英国の経済紙フィナンシャル・タイムズを1600億円で買収すると発表した。新聞メディアにおいて、日本企業によるこれだけ大きな規模の海外M&Aは初めてである。日経はグローバル化やデジタル化・ネット化において日本国内で常に先頭に立っていたが、自前のそれでは限界があるとさとったのだろう。ただし、超低金利時代とはいえ、日経の財務内容、収益力からみて、清水の舞台から飛び降りるような決断だったのではないか。吉と出るか、凶と出るか、注目していきたい。

 たまたま、このニュースが一面トップに載った24日の日本経済新聞朝刊は「経済教室」で、平野正雄早稲田大学教授が海外M&Aの課題について書いている。①楽観的な高価格での買収は、その後の経営に大きなストレスをのこす、②買収が成功するのは、買収者側が提供できる「シナジー(相乗効果)の源泉」を持っているからだ、③欧米有力企業はM&A前に長期の事業構想を持っている、といった点を挙げている。それらに照らすと、日経によるFT買収は苦しいいばらの道が待ち受けているということだろうか。

 長期の経済低迷やネット化による紙離れで、日経の経営はかろうじて利益を出す状態。経費節減のため、会社全体にゆとりがなくなっている。FTも似た事情にあると思われるが、英国のカルチャーと日本のそれとは違う点が多い。無論、コーポレート・カルチャー(企業風土)もかなり違っているだろう。そうした違いを乗り越えて、両社を1+1=2以上の成果を挙げるようにする経営力が問われている。

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