« 年金機構の情報流出に関する検証委報告を読む | トップページ | 財政危機どこ吹く風の2016年度予算案作成 »

2015年8月30日 (日)

10年を迎えた「料理ボランティアの会」

 新潟・中越地震(2004年)や東日本大震災(2011年)の被災地に、ホテル、レストラン、寿司、スイーツなどの在京の料理人・職人が一緒になって「美味しいものを食べて元気を出して下さい」と、料理を持って慰問に訪れる活動が10年を迎えた。この9月23日には、活動10年を記念するチャリティ食事会を帝国ホテル東京で開くという。

 一流ホテルの総料理長や有名なレストランのオーナーシェフなど料理界のキーマンが集うこの料理ボランティアの会は2012年に一般社団法人になり、被災地に対し、食を通じての貢献、交流の活動を続けている。

 この活動の歴史を聞いて、とてもいいなと思ったのは、縦割りになりがちな日本社会の中で、横のつながりを広げてきた点である。外食のサービスは、洋食、和食、菓子などの分野間で競争があり、またそれぞれの分野の中でも激烈な競争が行われている。そうした垣根を超えて、食のサービスのプロが仲良く、被災地の恵まれない人々に美味しいものを食べてもらうボランティア活動にいそしんでいるのはすばらしいことだ。

 また、各地の料理人や生産者、学校などとの連携を進め、料理のプロができる社会貢献を幅広く、積極的に実行しているのも意義深い。

 活動資金を得るため、チャリティ食事会を活動メンバーのホテルでときどき行なっている。これはボランティア活動を長く続けるうえで不可欠だし、東京などの住民に対して、被災地に対する支援の気持ちを忘れないようにと働きかける意味がある。

 料理ボランティアの会のメンバーによると、被災地における生活の復興がほとんど進んでいないところがあるという。それにもかかわらず、東京など他地域においては、被災地への思いやりや関心が薄れているという。それだけに純民間活動で、被災地支援にいそしんでいる料理ボランティアの会の価値は大きいと思う。

 料理ボランティアの会の活動の基本は、「被災直後の炊き出しではなく、ある程度落ち着いた時期に訪問して美味しいものを提供する」ことだという。そして「各被災地の実情をヒアリングの上、各地の情勢分析、課題に沿っての食を通じた交流を継続させる」という平時の活動を主に実施するとしている。

 自然災害の多い日本において、料理ボランティアの会は足が地に着いた活動として、持続することが望まれる。

|

« 年金機構の情報流出に関する検証委報告を読む | トップページ | 財政危機どこ吹く風の2016年度予算案作成 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/62184661

この記事へのトラックバック一覧です: 10年を迎えた「料理ボランティアの会」:

« 年金機構の情報流出に関する検証委報告を読む | トップページ | 財政危機どこ吹く風の2016年度予算案作成 »