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2015年9月 5日 (土)

映画「ドローン・オブ・ウォー」に見る戦争の先端技術

 ドローン、つまり無人飛行機に対する飛行規制が国内で実施される。私たちは、ドローンというと、首相官邸の屋上で見つかったような小型の無人飛行機を想像しがちだが、無人戦闘機、即ち、操縦士が乗っていない無人操縦の戦闘機のこともドローンと呼ぶらしい。

 映画「ドローン・オブ・ウォー」が私たちに教えてくれるのは、米国が行なっている最先端技術による戦争の実態である。アフガニスタン、イラクなどの反米組織を壊滅するため、米国本土からの遠隔操作により、人工衛星による地上監視とドローンによるミサイル攻撃とを組み合わせて、地上の攻撃対象に気付かれずにピンポイントの攻撃を行なっているのである。

 衛星による監視とミサイル発射などに携わるのは、ラスベガス郊外の米軍のコンテナの中にいる兵士である。米国では、9.11もあって、アルカイダなどとの戦いから手を引くことはできない。しかし、一方で、若者が戦地で亡くなることへの国民の批判も強い。そこで、軍隊を戦地に送ることはできるだけ避け、衛星とドローンとを組み合わせて、指導者の暗殺などに乗り出したりしている。そのために、現地の子供たちなどが巻き添えになることもあるが、映画では、軍・CIAなどの幹部が、9.11で、無実の米国市民らが多数殺害されたことを理由に、やむなしと言う。

 1万キロ以上離れた中東とラスベガス。テレビゲームのようなドローン・テロ。かつて戦闘機乗りだった担当の兵士である主人公は、精神的に耐えられなくなっていく。映画は、人間ドラマとして表現されていくが、私には、最新技術による戦争の姿とその将来がとてもおそろしく思えた。

 9.11がまさにそうだったが、最新の軍事技術はいずれ反米の国や集団に伝わり、彼らも米国に対して、同様な攻撃を仕掛けることが可能になる。個々の人物の動向をキャッチし、殺害しようとするかもしれない。そのとき、それを防ぐのに、さらに強大な新軍事技術を開発し、配備しなければならなくなる。殺し合いがすべてに優先する、異様な、世紀末的な世界がそこに出現するかもしれない。

 日本が米国との軍事的な結び付きを強める流れにあるが、「ドローン・オブ・ウォー」を見た私には、別の道を歩むべきだという考えが強くなっている。 

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