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2015年9月29日 (火)

自治体財政は立て直しが進んでいるのか

 財政破綻の懸念があった青森県大鰐町の財政健全化計画がこのほど完了した。日本経済新聞9月28日夕刊によれば、破綻状態の北海道夕張市を除き、地方財政が健全化したことになるという。

 地方財政健全化法(2009年4月全面施行)がスタートした時点では、健全性の指標が悪化して「健全化団体」に指定されたのは21団体に及んでいた。それが、景気回復などによって減っていき、財政再生団体に指定されている夕張市以外はすべて健全財政ということになる。

 一方、「東洋経済ONLINE」(9月29日)は、「自治体が「3セク」で失敗を繰り返す3つの理由」(木下斉)と題する記事を載せている。「南アルプス市では開業3ヵ月で破綻危機」との副題がついている。

 この記事によれば、第3セクターの事業体は、40%が赤字。43%は自治体から補助金を受けていて、56%は自治体から委託事業を得ているという。そして42%が自治体から計4兆円もの損失補償・債務保証を受けている。

 このような事態に至ったのは、①地元の諸課題を一挙に解決しようという無理な目標設定、②事業内容が顧客志向で決められるのではなく、地元合意および制度制約に則って決定される、③事業に疎い役所がらみの人物が役員に就き、計画はコンサルティング会社に外注する、そして資金調達は自治体の損失補償などに依存している――という3つのせいだという。

 膨大な数にのぼる第3セクターは依然、自治体財政の重荷になっている、というのが木下氏の指摘である。

 2つの記事を紹介した。自治体財政が本体の財政健全化に努めているのは確かだが、本体から切り離されている第3セクターなどへの出資・融資・債務保証などにおいて多大な含み損失を抱えているのも事実である。今後も、社会保障などに関わる歳出増が求められる一方で、膨大な国債発行残高を減らす財政健全化の要請は強まるばかり。地方自治体にとって、財政改革はより深刻な要請である。

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