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2015年11月 3日 (火)

群馬・栃木県の国有林を垣間見て

 国有林といっても、これまでほとんど縁がなかったが、先週、群馬県と栃木県の国有林や、林野庁の林業機械化センター、国産材で建築された中学校校舎などを見て回る機会を得た。足尾では、森林過伐や銅山の亜硫酸ガス鉱害などで丸裸となった森林を再生させる国有林治山事業の現状も見学した。

 訪れたのは、林野庁関東森林管理局管内の利根沼田森林管理署・日光森林管理署の管轄地域。行った先々で、いろいろ説明を聞き、教わることが多かった。

 基礎的な知識だが、日本の森林面積は国土の3分の2に及ぶ。森林面積2508万ヘクタールの30%が林野庁所管だという。また、日本の森林の約40%は人工林である。

 関東森林管理局管内の1都10県では、国有・民有合わせて407万ヘクタール。森林面積の占める割合(森林率)は57%に達する。森林率が多い順にあげると、山梨県78%、福島県71%、新潟県68%、群馬県66%、少ないのは千葉県と茨城県が31%、東京都は36%という。ちなみに国有林面積の割合が最も高いのは群馬県の46%である。

 戦後の植林推進により、森林資源は蓄積量が約49億立方メートルに達し、いまなお、毎年1億立方メートルずつ増加している。植林してから50年~100年の樹木は伐採し、利用するに適しているので、人工林の多くが本格的な利用期を迎えている。

 しかし、輸入依存が7割以上で、山村地域も高齢化と人口減少に直面している。このため、農林水産省、林野庁は造林、樹木保育の効率化や、高性能林業機械の導入、若者の林業就業対策などを進めているという。

 それとは別に、ニホンジカやツキノワグマが樹木の皮をはいで食べるなどの被害が漸増しているので、樹木の一本一本に生分解性のテープを巻くなどの防護策をとっているという。その現場をみせてもらった。しかし、広い国有林のすべてに防護策を実施するのは無理だろう。また、地元の猟友会と協定を結び、国有林内での狩猟を始めたが、ハンターの減少で、大きな成果は期待しがたい。地域やNPOなどの協力を確保することが必要ではないか。

 ハンターが獲たシカやクマは放射能問題があって、食べ物には供しないという。キノコなども同様、食べられない。そうしたことも、シカ、クマなどの駆逐をむずかしいものにしていると思う。

 足尾の森林崩壊に対して行なわれた地道な植林作業により、緑が回復しつつある姿を見て感動した。今回の見学では、森林国、日本のごく一部を見て回ったにすぎないが、森林が果たす役割と、それを未来にバトンタッチするために努力している人たちの存在を知った。

 森林は木材資源の提供だけにとどまらず、水源、土壌保全・山地災害防止、自然保護、環境保全などの機能を果たしている。国産材の用途の拡大をさらに工夫し、かつ経済性を高めることによって、森林の好循環が実現できればいいなと思う。

 

 

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