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2015年12月18日 (金)

報道写真展で振り返る「2015年」:いろいろあったなあ

 東京・日本橋の百貨店で開催中の「2015年 報道写真展」を見た。ことし1年を振り返る意味でとても価値がある。

 東京写真記者協会賞は「安保法案にNO!」で、国会議事堂とそれを取り巻くデモとを空中から撮ったもの。政府与党が現在の憲法を無視した、集団的自衛権を含む安全保障体制に踏み切ることに反対するデモが自発的に起きた。それを歴史の一ページとして残す写真である。

 ほかにも強く印象に残った写真は多い。第一に、「事故から4年、闇に浮かぶ原発と常磐自動車道」と「放射能汚染物の黒い山」の二枚の写真。どちらも画面が黒っぽくて、東電福島原発の事故が私たちに残した後始末の難しさを象徴している。

 台風18号の影響で東北、関東地方を襲った豪雨。鬼怒川が氾濫して茨城県常総市では多くの人命や家屋・家財などが失われた。写真「濁流からの生還」で、この災害のすさまじさを思い起こした。災害では、中国の天津市で起きた化学物質倉庫の大規模爆発により、出荷前の乗用車が大量に燃えた。この時の、燃え尽きたあとの倉庫と自動車の写真は、荒涼とした廃墟を強く印象づける。

 戦後70年の節目なので、敗戦や広島、長崎への原子爆弾投下などに関わる写真は多い。その中で、写真「戦後70年 真珠湾に咲く花火」は、長岡花火の「白菊」をハワイで打ち上げたときのもの。寡聞にして知らなかった。

 一方、スポーツの写真は非常に多い。野球、相撲、サッカー、ラグビー、体操、スケートなどで、スター選手が次々に現われるからだろうか。オリンピックが近いせいかもしれない。

 スポーツ以外にも、いささか多すぎるように感じたのは天皇家に関する写真である。逆に、少なすぎると思うのは、海外の出来事を伝える写真である。シリアなどからドイツをめざす難民など、ごく限られた写真しか展示されていない。国内については、沖縄の基地移転問題などで反対運動が激しくなっているにもかかわらず、今回の写真展では、ほとんど関連の写真を見ることはなかった。 

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