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2015年12月11日 (金)

”ばらまき”で、日本の将来が拓けるか

 この国の政治状況に危機感を抱く。

 ・新聞報道などをフォローしていると、安倍首相は、安全保障法制のように、自らが目指す日本国”改造”への道を歩みつつあるが、日本には政権に対抗する力を持つ野党が存在しないのではないかとすら思われる。言い換えれば、自民、公明両党の連立政権による政治が圧倒的にこの国を力づくで動かしている。政権を支える自民党の国会議員も、選挙を強く意識して、安倍総理大臣の意向に追従している。谷垣自民党幹事長が安倍総理の指示に唯々諾々となってしまったように、かつての保守党内の良識派は姿を消してしまった。

 ・2017年4月の消費税2%引き上げは、巨額の”借金”を抱える国家財政を健全化するための小さな歩みである。だが、安倍連立政権は財政再建の必要性を国民に理解してもらう努力をしてこなかった。また、景気回復によって増えた税収増を”借金”減らしに振り向けるどころか、歳出増に回すという放漫財政によって国民の支持を得ることに懸命のようにみえる。

 ・消費税を10%に引き上げる際、食料品などの税率は8%に据え置くという軽減税率問題。公明党が加工食品も軽減の対象にすべしと強く主張し続けてきた。自民党は選挙で公明党にお世話になっているという意識が強いため、筋が通らない公明党の要求を退けることができなかった。だが、軽減税率の適用範囲を広げれば、それだけ消費税収の増加分は小さくなる。増え続ける社会保障費に充てる財源をどうひねり出すかは、財務省の官僚の”手品”にゆだねられることになる。

 ・消費税は貧しい者も税を負担するため、金持ち優遇だという見方が支配的である。このため、貧しい者が購入する食料品に対する消費課税は減免すべきだというのも一理ある。しかし、軽減税率を導入すると、1人当たりの食料品の消費金額が圧倒的に多い金持ちは軽減税率の適用によって、より多くの減税メリットを得ると言える。このように、消費税の軽減税率に対する見方は分かれている。したがって、軽減税率の導入については、国民に問題点を開示し、国会で十分に議論することが何よりも大事である。

 ・消費税については、かねて、”益税”という不公正が続いている。インボイス方式の導入が図られてこなかったためである。しかし、こうした不公正が今後も当分の間、残ることで、国民の政府に対する信頼感は低下していかざるをえない。

 ・政府は財政再建の課題を抱えているにもかかわらず、低年金者約1千万人に対して各3万円程度の給付金を与えるなどの政策を打ち出した。もらう立場になれば、反対する人は少ないだろう。しかし、財政健全化の必要性を説いて国民の納得を得るという真っ当な努力をせず、カネをばらまいて内閣支持率を高く保とうとするのはいわゆる”買収”に相当する。そんなことを繰り返していたら、国家財政そのものの行き詰まり、破綻に近づく。 

 

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