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2015年12月 7日 (月)

利益をむさぼる調剤薬局

 ちょっとした病院の門前や周辺には、たくさんの調剤薬局がある。医薬分業によって生まれた仕組みだが、調剤の報酬体系に大変うまみがあるため、その数は増える一方。いまや、コンビニよりも、郵便局よりも多いという。

 今年度の医療費は約43兆円。そのうち、医師等の人件費が約20兆円に達するが、医薬品および医療材料も約11兆円と巨額である。そこに節減の余地がないのか。財務省所管の財政制度等審議会は財政制度分科会を10月30日に開催したが、そこでの資料と説明は調剤報酬に係る改革のポイントを具体的に示している。

 調剤医療費は2014年度で7.2兆円。そのうち薬剤料が5.4兆円、技術料は1.8兆円である。この技術料の内訳を見ると、調剤技術料(調剤基本料0.49兆円、調剤料1.0兆円)、薬学管理料0.33兆円となっている。

 保険の計算では、調剤基本料は41点(10倍して410円)。これはお薬手帳ありの場合。ない場合は34点である。薬剤情報文書の提供と説明、患者ごとの薬剤服用歴の記録とそれに基づく指導等々を行なったうえでの点数だが、現実には、これらを徹底して行なっているとは言えない。複数のお薬手帳を持っている患者が多いように、薬剤服用歴がきちんとフォローされているとは思われないが、薬学管理料は支払われている。

 薬局に入れば、すぐ気付くことだが、薬剤師の仕事は、医師からの処方箋を受け取るのと、薬を薬品棚から取り出して必要な薬剤を取り揃えることが中心である。それで相当の収入になる。また、院外では薬剤の数や投与日数が増えるのに応じて調剤料の点数が割増になる。調剤料は定額にして減らす方向に改めるべきである。一緒に服用する異なる薬を一つの包みにする一包化の点数加算については、作業の機械化などを踏まえ、なくしていく必要がある。

 このように、現行の医薬分業は、薬局に過剰な利益をもたらしている。だから、門前薬局が林立する。病院に診てもらいにいく私の眼にも、この現行の制度の問題点がよく見える。調剤の報酬体系を適正化するのは喫緊の課題である。

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