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2016年1月 4日 (月)

水道管の水漏れ頻発は料金上げを避けてきたからでは

 「水道管老朽 漏れ頻発」――4日付け朝日新聞朝刊は、老朽化した上水道の水道管の更新が追い付かず、水漏れがが20%超と極めて高い上水道事業体が、全事業体の16%にあたる236にのぼると報じている。

 同紙によれば、「地方を中心に人口減によって料金収入が減り、予算不足で更新費用を捻出できずにいる背景がある」という。

 上水道水が配管から漏れる割合(無効率)は2013年度に7.1%。13年度に20%を超し、かつ10年前より悪化したのは182事業体だという。無効率が30%超の事業体は56に達するそうだ。ひどい状況である。

 しかし、かつて私が1990年代の終わり頃、厚生労働省や日本水道協会などから取材したとき、今日のこのひどい状況はすでに予測されていた。要するに、関係者は今日の事態になることがわかっていた。そして、打つ手もわかっていたのだが、21世紀になってからの十数年、ほとんど問題は放置されたままだったのだと思われる。

 上水道事業はほとんどが地方自治体の一般会計と切り離した地方公営企業の形で運営されている。独立した安定的な経営が行なえるからである。経済成長時にはそれでよかった。

 ところが、長期経済低迷や人口減などのため、水道水の需要が増えず、減る自治体も現れた。それに加えて、水道管を含む設備の老朽化に対する更新投資が必要になってきている。しかし、それには水道料金の値上げが必要であるが、水道水のユーザーである住民や自治体議会は反対の意向が強い。このため、独立採算の公営企業としては、職員を減らしたり、水道管の取り替えや修復を先延ばしにしてきているわけだ。

 いま必要なのは、地方公営企業の経営をもっと効率化し、ユーザーである住民に、必要な料金値上げを受け入れてもらうことである。そのために住民や議会議員の多数が納得するまで説得することが不可欠である。

 負担と受益とのバランスがとれた政策について、国民や住民が理解し、受け入れるようになることが国政にとっても地方政治にとっても大きな意味を持つ。

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