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2016年1月29日 (金)

巨大企業と個人との闘い

 最近、翻訳書『WWF黒書』(ヴィルフリート・ヒュースマン著)を読んだ。副題は「世界自然保護基金の知られざる闇」である。WWFは自然保護の世界的なNPOとして知られているが、同書はWWFが自然破壊の先兵として、環境汚染や貴重な天然資源の乱開発に手を染めていると指摘。パートナーとして、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)、エクソン・モービル、シェルといった巨大石油資本や、化学のモンサント、非鉄のアルコア、マクドナルド、ウエアハウザーなどの巨大企業の名前を挙げている。

 コカコーラはWWFに2千万ドルを寄付し、その見返りに、かわいらしいWWFのパンダのマークを製品に付けることができたという。そうした自然保護や持続可能性などに名を借りたWWFの”商法”を世界各地で懸命に取材して書いたのが『WWF黒書』である。

 「解説と訳者あとがき」によると、原著(ドイツ語)の出版後、すぐにWWFドイツは弁護士を通じて書籍問屋やアマゾンに原著に多数の事実誤認があるとして取扱いをやめるよう圧力をかけたという。さらに発売禁止を求めて訴訟を起こした。和解に基づき、原著の修正・一部を削除した本が2012年9月に出版された。英語版は引き受ける出版社がなかったので、著者自ら出版社を立ち上げたのだそうだ。

 2月下旬に日本で公開されるスウェーデン映画「バナナの逆襲」。その第1話「ゲルテン監督、訴えられる」(2011年制作)を見た。第2話「敏腕?弁護士ドミングス、現る」(2009年制作)は見ていないが、この映画(第1話)も、ドール・フードのような巨大資本が映画(第2話)のロサンジェルス映画祭のプレミア上映を停止させるため法的な措置をとるという攻撃、脅迫など情報操作の実録である。

 映画製作者であり、ジャーナリストでもあるフレドリック・ゲルテンに対する脅しであると同時に、巨大資本対カネも乏しい個人という争いで言論の自由が脅かされているという実感を抱いた。

 第2話は、ニカラグアのプランテーション農園で、ドールが禁止されている有害農薬を散布し、それで、12人の労働者が不妊被害で会社を訴えたロサンジェルスの裁判のドキュメンタリーである。

 ドールが監督を名誉棄損で訴えたりもしたが、監督たちはスウェーデンやそのほかの国から支援が得られるようになり、ドールは提訴を取り下げた。その結果、どこでも上映できるようになったという。

 日本においても、メディアを見ていると、言論の自由が徐々に抑圧されてきているように思える。いろいろな事情があろうが、1つには、自主独立を支える健全な経営が少しずつ崩れているからではないか。

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