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2016年1月27日 (水)

福島原発廃炉の難しさと川内、高浜原発などの運開と

 東日本大震災以来、すべて停止していた国内の原子力発電所が動き始めた。昨年、九州電力川内原発1号、2号機が稼働したのが始まりで、関西電力高浜原発の運転再開があとに続く。

 原発は大手電力会社の電力供給の基幹とされ、これが稼働すれば、供給力に余裕ができ、収益の大幅改善につながる。つれて電力の料金が下がることも期待できる。地球温暖化対策の面から、化石燃料よりも、原発がのぞましいとみられてきた。

 しかし、原発は放射能の管理が厳しく求められる。ひとたび原発に大きな事故が起きて、放射能が外部に漏れたら、東電福島第一原子力発電所のように安全第一に廃炉作業を進めなければならない。しかし、福島原発では、炉心溶融という最悪の事態に対して40年かけて廃炉を達成する計画だが、実現は極めて難しい。

 大量に湧き出る地下水が放射能で汚染され、それを完全に無害化する処理方法はいまだに見出せない。汚染水をためるタンクは増え続け、いずれ、東電福島原発の敷地一杯になるだろう。

 廃炉作業で一番困難とされるのは、デブリとよばれる溶けた核燃料の取り出しである。最近の報道によれば、東電福島原発1号機で、ロボットを使って格納容器の中を調べたが、デブリを見つけることもできなかったという。放射能が強力で、人が近づくことはできないので、すべて遠隔作業によるしかない。そこで、高度のロボットなどを開発しながら、廃炉作業を一歩一歩進めようとしているわけだ。カネに糸目をつけず、内外の最新技術を採り入れて、試行錯誤する状態が期限なく続く。

 このように、日本における原発は、ひとたび炉心溶融のような重大な事故が発生したら、それを早期に抑え込んで安全を確保するという保障がない。

 にもかかわらず、既存の原発を安全面を強化したり、避難対策を強化したうえでと言いながらも、運転を始めるのは、果たして適切な選択だろうか。東電福島原発の事故では、大量な放射能の拡散で、人が住めない地域がたくさん生じた。最悪の場合、首都圏の住人も退避を求められるほどの巨大事故になったかもしれないのに。

 軽水炉のような原発には、こうした恐ろしい事故の可能性が潜んでいる。それなのに、炉心溶融のような最悪の事故に対する適切な対策を確保できていないタイプの原発を海外に売り込むプラントメーカーや、それを支援する安倍政権には疑念を抱かざるをえない。

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