« 安倍政権の反知性主義を鋭くえぐった上村達男氏の書物 | トップページ | バイオ医薬品で増え続ける薬剤費 »

2016年4月10日 (日)

クレージーなふるさと納税

 ふるさと納税制度による寄付は総務省によると、2014年度に341億円に達した。前年度の2.4倍だという。

 納税者が居住地に納付している所得税・住民税の一部を別の地方公共団体に寄付すれば、寄付額から2000円を差し引いた分については納税額が少なくてすむ。一方で、寄付を受けた自治体はお礼として地元の特産品などを送るため、ふるさと納税は、寄付額の何倍もの金額に相当する贈り物を手にするもうけ話になってきている。

 その結果、お礼の品物をめぐって競争が過熱。華美なお礼をする自治体に寄付が集中する傾向にあるという。このため、ふるさと納税の2015年度は14年度の何倍にも達したのではなかろうか。

 しかし、このブログで指摘したことがあるように、いまや、この制度に大きな欠陥があることは誰の眼にも明らかである。4月9日の朝日新聞朝刊の投書欄にも、「ふるさと納税は根本的に改めて」と題する神奈川県の主婦の意見が載っている。

 「そもそも住民税は居住する自治体に納めて、行政サービスを受けるという対価性の強いもの」、「税収を奪われる都市部は行政サービスに支障が出るはず」、「万一、支障が出ないというなら、元の住民税が高すぎたことになる」と制度の矛盾を指摘している。

 寄付を受けた自治体は、お礼の品の調達、送付にかなりの費用がかかる。したがって、寄付額のうち、行政で有意義につかえる資金は相当少なくなってしまう。納税者の欲得に訴えるやりくちは、国民の品格を貶めると言わざるを得ない。大都市の税収を減らして地方に回すことが望ましいならば、まっとうなやりかたをとるべきである。

 安倍政権は財政難を国債の大量発行で切り抜けている。それなのに、目先の、カネをばらまく手口で国民の支持を得ようとしている。そうした矛盾を矛盾とも思わない自公政権の堕落を国民はいつまで許すのだろうか。

 

 

|

« 安倍政権の反知性主義を鋭くえぐった上村達男氏の書物 | トップページ | バイオ医薬品で増え続ける薬剤費 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/63463166

この記事へのトラックバック一覧です: クレージーなふるさと納税:

« 安倍政権の反知性主義を鋭くえぐった上村達男氏の書物 | トップページ | バイオ医薬品で増え続ける薬剤費 »