« 国の連結財務データ(2014年度)も悪化 | トップページ | 安倍政権の反知性主義を鋭くえぐった上村達男氏の書物 »

2016年4月 6日 (水)

世界の指導者らのタックス・ヘイブン利用を暴いた「パナマ文書」

 パナマの法律事務所の約40年にわたる内部文書が流出し、タックス・ヘイブン(税回避地)を利用して蓄財をしている世界の指導者やその親族、友人の名前が報じられている。タックス・ヘイブンを利用することは合法だが、資金の出所が賄賂や脱税などの違法行為に基づく場合には、当該国で捜査の対象になったり、釈明を求められることもありうる。プーチン大統領、習近平国家主席、キャメロン首相やアジアの首脳などの名前も出ており、その波及が注目される。

 税は、マネー移動を起こす重要な要因の一つである。企業も個人資産家も、節税や蓄財のためタックス・ヘイブンをさかんに利用しているらしい。だが、世界の多くの国が財政逼迫に苦しんでおり、課税逃れを抑えて税収を増やす必要に迫られている。米国のオバマ大統領も、先頃、巨大な製薬企業が節税のため、外国企業と合併して、本社を低税率の外国に移すという動きに反対した。

 一方、世界経済はグローバルなマネーの動向に振り回されている。主要国の金融政策のゆくえや巨大なファンドの資金運用がそれに密接に関わっている。

 また、外国との資金のやりとりに課税する国際通貨取引税(トービン税)を創設すべきとの声もかねてある。フランスが航空利用に課税する国際連帯税を創設したように、途上国援助を目的にマネー移動に対する国境税を、というわけである。

 マネーをめぐる問題はこのようにいろいろある。今回の情報リークを契機に、資金移動で悪用されがちなタックス・ヘイブンのありかたを国連で取り上げていくのが望ましい。

 今回の情報リークは、米国の外交文書に関するウイキリークスの情報量に比べれば桁違いに多い。そのため、リークされた情報を読み解くのに、世界の100以上にのぼるメディアの370人もの記者が手分けしたとされる。日本からは共同通信と朝日新聞が加わったという。電子化で新聞が斜陽化し始めた中で、このような共同作業ができたのは、メディアの今後の生き方にヒントを与えているように思われる。

|

« 国の連結財務データ(2014年度)も悪化 | トップページ | 安倍政権の反知性主義を鋭くえぐった上村達男氏の書物 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/63450021

この記事へのトラックバック一覧です: 世界の指導者らのタックス・ヘイブン利用を暴いた「パナマ文書」:

« 国の連結財務データ(2014年度)も悪化 | トップページ | 安倍政権の反知性主義を鋭くえぐった上村達男氏の書物 »