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2016年5月14日 (土)

消費増税再見送りの安倍首相

 本日(14日)の日本経済新聞は一面トップで「首相、消費増税先送り  地震・景気に配慮」と報じている。同紙はまた、安倍首相が政府・与党幹部に増税見送りの方針を伝えたと書いている。首相は、2014年11月に「再び延期することはない。はっきり断言する」と言い、その後は「リーマン・ショックや大震災のような事態が起きない限り、予定通り増税する」と断言していた。

 振り返ると、政府・与党は消費税を5%から10%に引き上げる予定だったのを、まず3%分だけ上げ、次に残り2%分を上げるという2段階方式にした。そして、残り2%分引き上げの実施が近づいた段階で、これを2017年4月に延ばした。今回、さらに、これを先送りする意向を固めたわけである。

 政治家は二枚舌どころか何枚も舌を持っているらしい。しかし、総理大臣たる者が自分の都合のいいようにその場しのぎの発言を繰り返していたら、国民の政治不信を強める一方にならないか。

 国内経済について、安倍首相はアベノミクスなるものをぶち上げた。その中身は、日銀のゼロ金利、国債大量買い上げや、大幅な財政赤字による歳出の大盤振る舞いが中心で、経済構造の改革はほとんど行われなかった。社会保障の重要な財源と目されていた消費税の引き上げも、政府・与党が国政選挙や地方選挙に及ぼす影響を懸念したため、先延ばしが続いている。選挙は毎年のようにある。いちいち、それに政府・与党がびくついていたら、適時的確な政治は行われない。安倍首相は当面の選挙に勝つことを重視しすぎる。そして財政危機の深刻さに対する認識を欠いているとしか思えない。

 伊勢志摩サミットを控えて、安倍首相は欧米を回り、各国首脳と会談し、財政出動による需要喚起などを訴えた。しかし、財政の健全性を重視するドイツなどは財政出動に対して首をタテに振らなかった。一番、財政危機に直面している日本が、サミットの会合で財政出動を強調するというのは喜劇としか言いようがない。それもこれも、国債という”打ち出の小槌”がいくらでも使えると誤解しているからではないか。

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