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2016年5月 4日 (水)

「勤務間インターバル規制」の法定を、ただし助成金は無用だ

 5月4日付け日本経済新聞によれば、厚生労働省は、従業員が退社してから次に出社するまでに一定時間を空ける「勤務間インターバル規制」の導入を促すため、制度を導入する中小企業に助成金を出す方針だという。

 深夜残業、早朝出勤などによる長時間労働は労働者の健康や家庭生活に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、EUでは1993年にインターバル規制を導入し、退社から次の出社まで11時間の間隔を設けるように義務づけた。我が国では、これまで、一部の大企業が労使交渉により、このインターバル規制を導入しているが、厚労省は就業規則にインターバル規制の導入を明記した中小企業に対して最大100万円の助成金を給付することを考えているようだ。

 長時間労働はワークライフバランスを崩す。労働者の健康を損ねたり、家族との生活を不安定にする。このため、一日当たりの労働時間や週労働時間などに上限を設けるのは不可欠である。また、退社後、十分に休息などをとって次に出勤するまでの時間を十分に確保することを目的とするインターバル規制も法定するのが当たり前だろう。

 ところが、日本経済新聞の報道によると、「ニッポン総活躍プランに、この制度の普及を目指すと盛り込む。厚労省は現段階で義務化を考えておらず、助成金で導入を促す」とある。過労死、過労自殺など深刻な労働問題が起きているにもかかわらず、インターバル規制を法律で義務付けることを避けているわけだ。働く者の人権を擁護するのは行政の当然の義務なのに、カネで釣るという形の中途半端な労働行政にはあっけにとられる。

 残業規制を労使の協定で形骸化できるというケースもそうだが、厚労省は基本的人権の擁護については腰が引けている。

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