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2016年6月23日 (木)

盛り上がらない?参議院選挙

 参議院選挙の公示が22日に行われ、街頭演説などの運動が始まった。今回から18歳以上が投票できるようになった。日本の未来を左右する国政選挙だけに、本質的な争点が浮き彫りになることが望ましい。

 安倍首相は経済政策が争点だと言い、アベノミクスなるものの成果(?)を訴えているようだ。だが、消費税引き上げを先延ばしにした際、二度と繰り延べないと公言したにもかかわらず、またも延期した首相は、公約違反への責任を棚に上げ、「新しい判断」だと言い訳している。

 それを許しているのが民進党や共産党である。両党は、消費税引き上げに反対してきたので、安倍首相の再繰り延べに対して何ら責任追及をしていない。しかし、先進国で群を抜いて厳しい日本の借金過多財政に対して、野党が手をこまぬいていていいのだろうか。歳出を増やすほうにのみ目が行くのでは、与党とさして変わらない。

 安倍政権は金融、財政、構造改革といった経済政策を包括して「アベノミクス」と称している。しかし、安倍首相が、自らの名前と、経済学(エコノミクス)という言葉の合成とも言える「アベノミクス」なる言葉を恥ずかしげもなく連呼しているのはいかがなものか。いささか品性を疑いたくなる。そして、メディアがアベノミクスという語を普通名詞のように新聞の大見出しなどで扱うことにも違和感を抱く。

 「アベノミクス」の3本の柱の1つは異次元の金融緩和である。日本銀行は政府からの独立性を保つとされているが、黒田総裁の日銀は国債の大量購入などで安倍政権の財政拡張政策を支える重要な柱になっている。しかし、そうした経済・財政・金融政策の是非は選挙の主要な争点になっていない。それでいいのだろうか。

 佐藤優氏が昨年10月に、「最近の日本の外交」について講演した記録(「メディア展望」2015.12.1)に次のようなくだりがあった。日本の新聞は「国際基準では全て高級紙だ。その中に書かれている情報は精度も高いし、論評の水準も高い。しかし、日本の中では目に見えない自己検閲があって、新聞を毎日丁寧に読んでいても、今の国際情勢も国内情勢もいまひとつよく分からない」と。

 この講演で、佐藤氏は、集団的自衛権、個別的自衛権などの安全保障問題についても独自の視点を表明している。参議院選挙の論点、争点が十分にさだかでないのは、メディアにも責任があるように思う。

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