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2016年6月17日 (金)

「消費増税は社会保障充実を”買う”ためのもの」(吉川洋氏)

 吉川洋氏(前・東大教授、現・立正大学教授)が17日、日本記者クラブで「消費増税再延期と日本の財政」と題して講演し、消費税の引き上げ再繰り延べの問題点を指摘した。

 日本は経済の長期停滞や高齢化、核家族化などを背景に所得格差が広がり、年金、医療・介護、保育、生活保護などの社会保障費が増え続けている。この歳出の増加を賄うのが消費税の増税である。メディアの世論調査では、消費税上げだけを取り出して賛否を問うが、それだと、反対が多いのは当たり前。「消費税上げで社会保障の充実を買う」というのが物事の本質だと吉川氏は述べた。

 一般会計の歳出と歳入との差である財政赤字はワニの口のように広がる傾向が続いている。国が使うカネに対して税収が少ないからだ。このため、民主党政権の末期の2012年8月、野党の自民党などとともに消費税引き上げについて3党合意に達した。消費税引き上げによって社会保障制度を持続可能にし、あわせて財政再建を図り、そして日本経済の持続的な成長を図るというものだった。吉川氏は、この3党合意を高く評価した。

 消費税や社会保障、財政というのはいずれも長期的な課題である。これに対し、景気は短期的な問題である。したがって、Great Recessionのような大きな景気後退のときは別として、今回のように、消費増税を先送りするのは大義名分がない、とも語った。

 日銀が推進する金融政策についても厳しく批判した。インフレターゲティングは3年たっても実現せず、4年では達成できないと指摘、また、貨幣数量説に立つ政策は現実に正しくないと言う。

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