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2016年6月14日 (火)

日銀の国債大量購入とマイナス金利継続の先にあるもの

 河野龍太郎氏(BNPパリバ証券経済調査本部長)がロイターニュースのコラム(6月12日)に「消費増税先送り後、4つの経済シナリオ」を書いている。私には、同氏の緻密に積み上げる論理をきちんと理解する能力はないが、あちこちに重要な指摘を行なっていると思う。そのいくつかを紹介したい。

 冒頭で、「筆者は、安倍政権は金融緩和による通貨安での景気刺激の限界を認識したため、中央銀行ファイナンスによる大規模財政に舵を切ったと考えている。つまり、今回の消費増税先送りも財政シフトの一環と見ている」と言い切っている。

 そして記事の最後のところでも、「今回の消費増税先送りは、結局、アベノミクスが全く機能しなかったということを意味するのではないだろうか」と書いている。

 また、河野氏は「QQE(量的・質的金融緩和)が始まった直後から、債務を中央銀行にファイナンスさせる「非リカーディアン」型政策の採用は不可避であると考え」たと言い、「変動相場制の今日では、高率のインフレが訪れるまでに必ずしも長い時間を必要としない可能性がある」と述べる。

 参議院選挙に向けての遊説で、安倍首相はアベノミクスの成果を得々とぶっているが、河野氏のように冷静な分析、予測が、財政破綻に向かいつつある日本経済の立て直しには不可欠である。

 日銀は安倍政権の積極赤字財政を支えるため、年率80兆円というペースで長期国債を購入している。しかし、この量的緩和政策は市場の国債が品薄になってきたので、日銀は1月にマイナス金利政策を導入した。一方、政府、日銀は米、英、中などの経済動向によって円高が進行しないように、マイナス金利を一段と進めることを余儀なくされる可能性が大きい。そして、今度の消費税引き上げ再繰り延べで、日銀の金融政策は、安倍政権にいっそう従属をすることになるだろう。そう理解した。

 

 

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