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2016年7月19日 (火)

孫崎享氏が懸念する3ザルの進行

 外務省OBの孫崎享氏が6月に出版した『21世紀の戦争と平和―きみが知るべき日米関係の真実』を読んだ。自公政権が合憲とした集団的自衛権は「米国の戦略に自衛隊を差し出すシステム」であり、にもかかわらず、米国は日米安保条約上、「日本を防衛する義務を負っていない」と指摘する。

 そして、外交・安全保障に関して日米両政府の嘘や詭弁がいかに多いかと言う。

 日本が1941年に真珠湾攻撃で始めた対米戦争。その過ちを犯した構図は、本書の「おわりに」によれば、以下のようなものだった。

 ①指導者が嘘や詭弁の説明をする。

 ②それによって、本来は国民が望まない方向に政策を誘導する。

 ③マスコミは調べればわかるのに、それを検証せず、嘘や詭弁の拡散に加担する。

 ④国民はこの嘘や詭弁を信じ(信じるふりをし)政策を容認する。

 ⑤異なる見解を持つ者は徹底的に弾圧される。

 そして、「いま日本はそのような時代に再度入ってきた」、「事態はきわめて深刻です。いま私たちの国は、戦前の言論統制に限りなく近づいていると言っていい」と孫崎氏は憂慮する。「多くの国民は見ざる、聞かざる、言わざるに逃避をはじめました」とまで言い切る。

 ただ、戦前と違って、いまの人々にはインターネットという言論空間がある。そこで、同氏は「大手メディアが政府に都合のいいことしか発信しなくなったいま、私たちはインターネットのリテラシーをさらに高めていく必要がある」と若い世代に期待をかけている。

 孫崎氏の『21世紀の戦争と平和』は、平和国家・日本の進むべき道を指し示している。共感するところ大だ。ただし、中国では、インターネット空間にも共産党政府の規制の手が伸びている。現代日本においても、今後、同様なインターネット言論封殺に近い事態が起きないとも限らない。厳しい時代に我々は直面していくのではあるまいか。

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