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2016年7月 1日 (金)

民間税調の「投票の前に」の提言

 6月30日に民間税制調査会(代表:三木義一、水野和夫氏)が「税のあり方を選挙で問い直そう」と、提言を発表した。主権者としての国民は、中長期的に税制や歳出がどうあるべきか、少し冷静に考える必要がある、税制を役人や政治家に任せるのではなく、私たち自らの問題として考え、自らの意思を選挙で表明すべきではないか、と訴えている。

 提言は、まず、消費増税は社会保障の安定財源であり、かつ財政健全化を達成するためのものだったはずとし、延期するなら、租税特別措置拡充を元に戻すなどで財政健全化の道筋を明らかにすべきだという。また、タックスヘイブン規制を強化するとともに、国境を超える金融取引に課税するよう提案している。

 また、提言は、政党の選挙に向けてのマニフェストを取り上げ、「お金のかかる施策がたくさん挙げられていますが、その費用が一体いくらになるかは書かれていません」と指摘。「財政再建のための具体的な手段は書かれていません」、「要するに、各党のマニフェストは、肝心の税負担については、(中略)ほとんど書かれていないのです」と言う。「現実には、タダのランチなど存在しないのです。いずれ、請求書が私たちに送られて来ます」と断言している。

 日本の財政は深刻な状況にあり、消費増税の延期は、将来の世代に負担を負わせる。主権者である私たち国民は、消費増税延期の意味するところを長期的な視野で考えなければならないとしている。

 オランダでは、独立性を持つ政府機関が全政党のマニフェストを細かく比較分析し、政策効果が国民によくわかる検証・評価の仕組みが存在するという。オーストラリアでも、同様な仕組みがある、と民間税調メンバーの田中秀明氏(明治大学教授)は語った。

 提言は「おわりに」の中で、「国債市場で外国人投資家がある一定のシェアを握れば、日本の破綻などおかまいなしに国債売りを仕掛けることで巨額の利益を得ることができる」と述べ、いまや外国人保有比率が日銀保有を除くと15%にまで達していると指摘している。外国人投資家は、日本が財政健全化の意志が弱いとみれば、瞬時の国境を超える大量の資本移動で日本経済を混乱に陥れる、そうした危機の到来を示唆している。

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